特別講義@東京農工大学

2020年7月15日(火),東京農工大学大学院「信号処理特論」(担当 田中聡久教授)のゲスト講師を担当いたしました.

  • 特別講義「畳み込みネットワークとスパースモデリングによる高次元信号復元」
  • あらまし
    本講義では,画像やボリュームデータなどの高次元信号の復元処理について概説する.計測技術の発展と共に多様かつ膨大な物理データの取得が可能となった現在,信号復元の高性能化への要求が高まっている.高性能な信号復元の実現には,対象となる物理データを効果的に表現できる生成モデルが必要である.既存の有力な生成モデルの枠組みに畳み込みネットワークモデルがある.同モデルは,信号の局所的な関係性を利用し,画像の認識や復元に著しい性能改善をもたらした.一方,ドメイン知識をネットワーク構造に反映し難く,理論的に裏付けられた系統的・戦略的な構造設定に課題が残されている.特に,未知領域のデータに対してこの問題は顕著となる.そこで本講義では,フィルタバンクと最適化理論の視点から畳み込みネットワークを解釈し,物理モデルに関する事前知識をネットワーク構造に反映する方法や高次元信号を効率的に処理する方法を紹介する.異分野融合展開に関する話題に触れるとともに,既存の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)との関係についても解説する.

田中聡久先生と田中雄一先生には(研究に限らず?)いつもよい刺激を受けております.スパースの話題に反して,今回も期待通りのデンスな情報交換が行えました.私からも聴講者の皆様にほんの少しでもよいので刺激を残せたならば幸いです.

オンライン講義(および懇親会)の可能性を感じるよい経験となりました.

村松