精密農業の実現を目的としたセンサネットワークと強化学習による洋ナシ栽培の水管理システムの研究開発

本ページでは、戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)の委託により実施した研究について紹介する

本研究開発の概要

 センサネットワーク技術を用いて、土壌水分計測データを洋ナシ生産者に提供し、洋ナシ生産者の水分過不足判断を目標とした強化学習により、散水アルゴリズムを開発する。開発した散水アルゴリズムを実装し、土壌水分センサの計測値より自動で散水の開始及び停止を行うシステムを開発する。実際の洋ナシ圃場では気温や降雨量の環境要因によるゆらぎにも対応するよう、現地でさらに強化学習によるシステムの頑健化を行う。

散水制御システムのハードウェア部

構築した散水制御システムのハードウェアを図1に示す。

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図1 散水制御システム構成の全体概要

散水閾値を決定するための強化学習の導入

図2に導入する強化学習モデルの概略を示す。

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図2 強化学習モデルの概略

発表リスト

1.査読付き口頭発表論文
[1]山﨑達也、宮川和也、“An Irrigation Prediction System Using Machine Learning for Pears”、Proceedings of the Third International Symposium on Agricultural Engineering (ISAE 2017),(2017年10月20日)

2.口頭発表リスト
[1] 田邉直大、宮川和也、山﨑達也、“洋ナシ栽培経験則導入のための灌水制御実験システムの構築”、2017年信学会通信ソサイエティ大会, 通信講演論文集2, no. B-18-7, p.268, (東京都世田谷区)(2017年9月13日)
[2] 田邉直大、宮川和也、山﨑達也、“洋ナシ露地栽培に対する灌水制御実験システムについて”、農業×計測×情報通信ワークショップ2017, pp.157-158, (鶴岡市)(2017年11月17日)
[3] 山﨑達也、“地域創生を目指した情報通信技術の農業への導入”、農業×計測×情報通信ワークショップ2016, 信学技報, vol.117, no.310, ASN2017-78, pp.161-165, (鶴岡市)(2017年11月17日)
[4] 田邉直大、山﨑達也、“機械学習を用いた露地栽培に適した灌水制御実験システムの構築”、新潟大学学生ブランチ論文発表会, (新潟市)(2017年12月8日)
[5] 山﨑達也、宮川和也、田邉直大、“洋ナシ栽培における水管理システムの評価に関する研究”、信学技報, vol.117, no.485, MVE2017-74, pp.47-50, (那覇市)(2018年3月8日)
[6] 田邉直大、山﨑達也、“土壌センサと天候情報を用いた露地栽培適応灌水実験システムの構築”、2018年信学会総合大会, no.B-18-23, p.367, (東京都足立区)(2018年3月21日)