ICTケアサポートプロジェクト

 日本は世界に先駆けた超高齢化社会として知られています。高齢者人口の増加にともない介護の需要も増加していますが、高齢者福祉施設などで働く介護職員が不足しており、今後もこの不足は大きくなり社会的な課題となっています。そこで私たちはICTを用いて、介護職員の方々の仕事の負担を減らすことができないかと考え、取り組みを始めています。

高齢者体操支援システム

 よくケアサービスの施設では、運動機能の維持や回復のために利用者の方が体操をされています。体操の効果を上げるためには適切な正しい方法の指導が必要ですが、正しい指導が行える理学療法士等の資格を持つ機能訓練指導員は不足しています。また、職員の方が利用者一人ひとりについて、体操に関するアドバイスをしたり、モチベーションを上げるための声掛けをすることは人員不足のなか難しいです。そのため、人間の代わりに体操の適正さを判断し、高齢者に改善のアドバイスを与えられるようにするためのシステムを目指して研究を行っています。用いるデバイスは体の関節位置を測れる赤外線計測ができるカメラデバイスです。これを職員の方でも簡単に扱えるような補正(キャリブレーション)技術を開発し、さらに計測データから体操の適正さを判断するアルゴリズムを開発しています。

認知ケアのための顔パズル開発

 ケアサービス施設では運動機能に加え、認知に関する機能訓練を行うことも重要です。実際には施設の介護職員の方が日々クイズや連想記憶に関する問題を考えたりしているそうです。毎日ですからかなり大変です。その一助になればと思い、簡単に顔が写っている画像からその人物を当てるパズルを作成するアプリケーションを作成しました。図1に顔パズルの例を示します。
 これだけ見ると簡単にできそうですが、実際には顔検出をし、あごから頭頂までがちゃんと入るように正方形領域の切り出しを行った上で、パズル化しています。さらに職員が利用する端末に非依存とするためにWebアプリケーション化し、どこからでもこのアプリケーションが利用できるように開発しました。

目標イメージ

図1 左がパズルの元になる顔画像で、右が自動的に作成された顔パズル