新潟大学工学部福祉人間工学科

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学生トーク

学生さんと教員達が集まって福祉人間学科のことについていろいろ語ってもらいました.参加していただいた学生さんは女性2名(ともに2年生)と男性3名(2年生が1名,3年生が1名)です.また,参加した教員は学生さんに人気の高い教授1名と准教授1名です.語ってもらったテーマは次の通りです.受験生の皆さんに福祉人間工学科の雰囲気が伝われば幸いです.

■高校と大学での授業の違い 教員のコメント
司 会 今日はお集まり頂きありがとうございました.未来の後輩に向けて,福祉人間工学科や勉強のことなどについて率直に語ってもらいたいと思います.まず,高校と大学での授業の違いについてどう感じていますか?
高校の延長ではないのですが,大学の1,2年はやはり専門分野で必要となる数学や物理をしっかりと勉強する形だと思います.福祉人間工学科ということもあって,電気電子や機械といった工学分野の基礎も勉強しながら,福祉・医療といった融合分野にも興味を持たせてくれます.例えば,ボランティア実習であるとかですね.
入学したときに,いきなりものを作ったりするのかなというイメージを持っていたのですが,まだその段階まで届いていないというのが残念です.それを目標して,いまの積み重ねを頑張っていこうと思っています.それから数学の話ですが,高校ではひとつの数学という科目にまとまって授業していたものが,微分積分だとか,線形代数だとか,分野毎にひとつの講義が用意されているのが高校と大きく違いますね.
高校のときは先生がちょくちょく生徒に問題を解かせたり,黒板に書かせたりというのが多かったのですが,大学では教員が一方的に説明して,板書を写して,というのがほとんどですね.そこが一番違うような気がします.
それと,週一回の割合で講義が進んでいくので,一回あたりの講義時間(90分)が長くなっています.その分,やはり内容も濃くなっていますし,説明がより一般的な感じになっていますね.
高校のときは予習や復習をしなくとも授業に付いていけたのですが,大学では予習しないと全然分からないし,復習しないと次の時間に何をやっているのかわからなくなってしまいます.
■福祉人間工学って何?
司 会 大学に入って1,2年経っている訳ですが,今の時点で福祉人間工学とはどんな学問だと思っていますか?
どの工学も人間に役立つという意味では同じ使命だと思うのですが,より直結して人間の健康だとか福祉だとかに役立つ学問のような気がします.
僕の中では福祉人間工学は「人のため」ということが大前提にあって,そこから人だけではなく,例えば住環境のように環境の方にも派生していく学問だと考えています.
工学の力を福祉や医療の分野に利用しながら応用していく分野だと思います.
私はスポーツが好きなので,障害者の方と健常者の方が一緒にスポーツを楽しむような,そんな壁をなくすような福祉機器を開発してみたいですね.
生活する上で,障害者も健常者も何かしら不便なところがあると思うので,それらを解消して住みやすくしていくための工学が福祉人間工学じゃないかと思います.
なぜ福祉人間工学科を選んだかと言うと,基本は人間を知りたいって思っていたからなんです.医療現場で働くことにも興味あったのですが,やっぱりものづくりってものにも興味がありまして,その融合分野を学びたいと思いました.新潟大学の福祉人間工学科に行って,たとえば,人間を工学的に見て,それを等価回路で置き換えてみたりとか,人間から取った生体情報で工学機器を制御してみたりとか,そういう分野にすごく興味が惹かれています.
■どんな人が福祉人間工学科に向いてる? 教員のコメント
司 会 福祉人間工学科を志望する学生さんに求められる人物像について,実際に在籍してみてどう思っているか聞いてみましょう.
やっぱり人間に興味がある人です.とりわけ,障害者のまわりの環境に興味の持てる人です.
不自由だと思っている人の役に立つ,そういうことを考えている人です.それから,私の地元では,障害者の方をあまり見かけないので,一般の人たちは障害者の人たちのことを忘れているような感じです.車いすバスケを始めたんですけれど,チームが少ないので,もっと健常者の人にも興味を持ってもらえるようにしたいですね.
重なりますが,思いやりのある人ではないでしょうか.それと,自分が興味を持てることを何かしら見つけることができる人で,かつ,その興味を持ったことに対して突っ走っていける人かな.
何事にも積極的に取り組める人がいいと思います.それから,自分のことだけではなく,身の回りにも目を向けることですかね.それこそ,まわりの人が気にかけていないようなことでも,自分で見つけていく姿勢が大事なような気がします.
人間を医学的というよりは工学やシステムという観点から知りたいと思う人はこの学科に向いているんじゃないかな.それから授業では,学問がどういう考え方で構成されているのかといったような根本を探るような内容になってくるので,そのための勉強量を考えるとやっぱり気合い,ガッツが必要なのかな.今まで2年間大学で勉強してきて思います.
■高校で何を勉強しておくと良い?
司 会 高校でどのような勉強してくれば,大学に入ってから割とすんなりと勉強に取り組めると思いますか?
今大変なのはやはり英語ですね.受験英語ではなく,外国人とコミュニケーションするための英語力がいまの自分には欠けていることです.高校では,そのための英語にも多く触れて欲しいですね.それから,数学や物理は公式を暗記するのではなく,公式を導き出せる力をつけておくと大学に入ってからそれほど苦しまないで済みます.
大学に入って,数学と物理で微積分をいっぱい使うって感じました.推薦に受かったこともあって,あまり勉強しなかった部分もあるし,もともと高校のときは積分がすごい苦手だったので,大学ではとても苦しみました.先輩や友達に聞いたり,先生にものすごく頼ったりしました.微積分は集中的にやった方がいいと思います.
電気回路とか,高校の物理の教科書には載っているのですが,私の高校では物理は最後の方まで行かなくて,大学に入ってから電気回路や物理が難しかったです.ですから,せめて,高校の教科書は基礎となるので,それを理解できているようにした方がいいなと思います.
高校では,受験のための英語で,なかなか読解の方とかに力がいったりしていて,コミュニケーション能力はあまり身に付きませんね.実際,自分も発展英語を受けているのですが,自分一人しかいなくて,先生とマンツーマンで,すべての質問が自分に降りかかってきたとき,うまくしゃべられませんでした.いまだと高校にはALPの先生もいらっしゃると思うので,日頃からそういう先生とコミュニケーションするとよいと思います.それから,大学での数学や物理ではやはり高校で習ったことを前提に説明があります.その意味で基礎的なところができることも大事ですが,いっそ好きになった方が伸びるのではないかと思いました.
高校のときは何も考えなくていいから,とにかく目の前のことを勉強していればいいかなと思います.それらを通して得た多くの知識量が必ずどこかで繋がっていて,絶対に役立っていくと思っています.