新潟大学工学部福祉人間工学科

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人間支援科学教育研究センター

日本は高齢化率(65歳以上人口の割合)が21%を超え、ついに超高齢社会に突入しました。その制約下で「健康で心ゆたかな社会」を実現するためには、心身の機能低下や障がいの有無にかかわらず誰でも自己実現できる社会基盤を整備しなければなりません。つまり、機器・システム・建築物をだれでも簡単に利用できるようにし、高齢者・障がい者の自立や生活・就労をユニバーサルデザイン製品や支援機器により支援できるようにする必要があります。そのため、現在あらゆる製品に対して障害者や高齢者に対する配慮が求められており、ISO/IECとJISのガイドラインに基づいて、JIS規格の整備が電子情報機器を中心に進められています。

以上の社会ニーズに応えるために、福祉人間工学科では「生体・福祉リテラシーをもつ電子・情報・制御系の指導的技術者の育成」および「医用工学、支援工学の先端的科学技術の開発に貢献」を教育研究理念としています。実際に役立つ医用機器・支援機器を研究開発するためには、現場ニーズに基づいた研究開発体制が必要であり、そのためには医療・福祉の現場、行政機関等とのコラボレーション(協働)が必須です。一方、教育面では、学生の勉学動機・意欲を高めたり、視点・視野を拡大したりするために、学生が現場の生の声や企業の先端技術に触れる機会を増やす必要があります。以上のような教育研究環境を整備するために、本学科は、社会とのインタフェースとなる「人間支援科学教育研究センター」を平成17年度に設置しました。

図に示すように、本センターが仲介役となれば、学部・大学院と地域の民間企業、行政機関、医療機関、福祉施設、障がい者団体とを有機的に結びつけることができます。それにより、教育面ではより実践的な技術者育成を行うことができ、研究開発面では大学の基礎研究能力、企業の先端技術・製品化能力、医療・福祉の現場ニーズ、行政の社会サービスを高い次元で統合することができます。具体的には、1)ボランティア実習などの科目における地域の専門家による教育支援、2)大学院教育における企業との連携、3)民間企業・公的研究機関などとの共同研究、4)新潟市からの委託事業「新潟市障がい者ITサポートセンター」の運営、などが活発に行われています。

人間支援科学教育研究センターを中心とした地域連携による教育研究体制
人間支援科学教育研究センターを中心とした地域連携による教育研究体制