大学院自然科学研究科
助教棚橋 重仁(たなはし しげひと)
専 門
視覚工学,心理物理学
主な研究課題
[自己と視対象の運動知覚メカニズムの研究]
三次元視空間内の自己と視対象の運動知覚メカニズムの統一モデルの提案を目的として研究を行っています.自己の運動知覚は視覚誘導性自己運動感覚という知覚現象,視対象の運動知覚は両眼視差変化に基づく視対象の奥行き運動知覚の研究からそのメカニズムに迫ります.これらの研究は,より現実感の高いVR空間や映像酔い予防の技術開発につながります.
[ヒトの行動における多感覚統合の研究]
外界におけるヒトの動作・行動において複数の感覚から入力される情報の統合過程とその役割を明らかにすることを目的として研究を行っています.この研究ではヒトの各感覚に入力される情報にズレが起きる条件下を用いて,定量的にこのズレ量を計測,変化させることでヒトの行動に及ぼす影響を明らかにします.この研究は,視空間認知障害の評価法やリハビリテーション手法の開発に繋がります.
[知覚状態の一義的な決定メカニズムの研究]
ヒトが無意識下で行っている知覚状態の一義的な決定メカニズムを明らかにすることを目的として研究を行っています.主に両眼視野闘争や多義図形などの知覚現象から研究を進めています.この研究は自閉症児の認知プロセスの解明に繋がる可能性があります.
主な著書・論文
- Visual rotation axis and body position relative to the gravitational direction: Effects on circular vection,Tanahashi, S., Ujike, H., Ukai, K.,i-Perception,Vol.3, pp.804-819,2012
- Monocular viewing prolongs reversal interval of rival figure,Tanahashi, S., Segawa, K., Zheng, M., Kuze, J., Ukai, K.,Optical Review,Vol.19,No.5, pp.345-348,2012
- Effects of visually simulated roll motion on vection and postural stabilization,Tanahashi, S., Ujike, H., Kozawa, R., Ukai, K.,Journal of NeuroEngineering and Rehabilitation,Vol.4,No.39, pp.1-11,2007
所属学会・国際貢献・国内貢献等