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センター長挨拶

アフターコロナ時代を切り開く工学力

 この度2023年度より工学力教育センター長を拝命いたしました.今年は新潟大学工学部100周年ですが,来年2024年度には工学力教育センターも20周年の新たな転換期を迎えます. このような節目の時期にセンター長を仰せつかり光栄であると同時に責任の重さに身の引き締まる思いです.
 工学力教育センターでは,工学力=「学ぶ力」+「つくる力」を合言葉に,『ドミトリー型教育』と呼ばれる3つの教育プログラム, ものづくりプロジェクト,スマートドミトリー,Global Dormitory Education(G-DORM)を開講しています.これらの科目では, 学生寮に先輩,後輩学生が集うように学年と専門分野の枠を越えたチームを結成して研究活動を行うことできます. また,それぞれのプログラムには,持続可能な開発目標(SDGs)を掲げた様々な研究プロジェクトがあり, 学生達は,センター所属の教職員や協力教員の支援のもとでコンテストや世の中に役立つ機械の発明を目指したり, 学部1年生から研究活動を体験することができます.工学部の創造工房や,センター内の工房内の工作機械やCAD用のワークステーションなど, 設計と加工のための充実した機器を使用することができます.工学力教育センターでは,様々な学びの場を与えることで, 理工系人材に必要な工学力とともに協調性やリーダーシップ能力を育成することを目標としています. さらに, G-DORMでは,海外の大学と地域企業と連携した国際グループワークインターンシップを通じて, 専門分野だけでなく,文化に融合する工学技術の理解とアントレプレナー教育を実践しています.
 2020年から始まった新型コロナウイルス感染症の拡大から約3年が経過しました.この3年間のコロナ禍で私たちが得たもの,失ったものは多くあります. しかしながら,工学力教育センターでは,前 山内センター長,ならびにセンター所属の教職員の下でDX(デジタルトランスフォーメーション) を活用したオンラインミーティング室や遠隔操作によるものづくり環境の整備をはじめ,コロナ基準に応じたプログラム運営など, 工学力教育の継続に取り組んで参りました.プロジェクトに参加している学生達も,DX環境をチーム内での知識の共有,後輩学生の教育などに積極的に活用した取り組みを始めました. 2022年度は,これまで中止されていたコンテストやが開催されるようになり,ものづくりプロジェクトの学生チームが大きな成果を上げています. たとえば,CanSatチームは種子島ロケットコンテストで優勝,ロボコンチームは,NHK学生ロボコンで2年連続決勝トーナメント進出,および特別賞, 学生フォーミュラチームは,全日本学生フォーミュラ大会で自動車工業技術会会長賞を受賞しています. スマート・ドミトリーの学生達もICTビジネスアイデコンテスト2022 in 新潟で優秀賞,奨励賞を受賞, 「下水汚泥灰からリンを回収する資源循環技術の開発班」の活動が新潟日報で紹介されたり,多くの成果を上げています. また,G-DORMでは,新潟大学とメコン地域(カンボジア,ラオス,タイ,ベトナム)の大学とのオンライン型プログラム(Collaborative Online International Learning)が実施されるなど, オンラインツールを活用した新たな取り組みが実施されました.
 日本国内では2023年3月よりマスク着用が個人の判断に委ねられるようになり,大学では,ほぼすべての授業が対面で行われています. 制限の多かったコロナ社会もわずかながら終わりのようなものが見えていると思います.進化するDX,変わり続ける社会と共に新たな取り組みが生まれることを期待します. 今後もSDGsを取り入れた工学教育プログラムの拡充,国際交流の促進など,社会の流れに柔軟しながら学生達が,率先して研究に取り組めるように全力で支援して参ります.

佐々木 朋裕(機械システム工学プログラム)

組織と内容

 工学力教育センターは、「学ぶ力」と「つくる力」を統合した「工学力」を学生諸君に身につけてもらうための 教育プログラム開発を目的として設置された工学部附属の教育センターです。
 本センターは、「地域社会及び企業との連携を図り、工学力教育プログラムの体系化を目指すとともに、 工学力教育の充実・強化を進めること」を目的としています。
 本センターには、8つの部門および創造工房があり、それぞれの部門長が連絡を取り合いながら、センターの運営を行っています。 また各部門には、多くの協力教員・協力職員がいて、学生の活動をサポートしています。 それぞれの部門の名称と役割は次の通りです。

事業強化部門
 地域社会及び企業との連携強化を進めるとともに、工学部の教職員のサポートを得て 新たな教育プログラムの開発・試行を行い、工学教育のプラットフォームを整備します。 また、センターの運営に必要な財政基盤の構築を行います。

研究プロジェクト部門
 学生が自主的に研究に取り組む「創造研究プロジェクトI、II」を開講します。 創造研究プロジェクトは、1年生のうちから研究活動に参加できる「スマート・ドミトリー」 プログラムを実施しており、先輩や教職員の指導の下、大学のカリキュラムで 専門科目を学びながら研究を行います。

開発プロジェクト部門
 学生が自主的にものづくりに取り組む「創造プロジェクトI、II」を開講し、 創造工房の協力のもと、ものづくりの楽しさを体験させます。また、 その成果を学内外の大会で発表するためのサポートを行います。 さらに、学生が創造工房を自主的に使えるような仕組みの構築、安全教育を実施します。

国際教育部門
 企業の海外進出など産業の急速なグローバル化が進む昨今、工学系技術者にとっては、 チームでの研究開発遂行能力はもちろんのこと、協調性やリーダーシップ能力、 さらには社会科学的視座を含めて工学を俯瞰する力が必要とされています。 国際教育部門では、地域連携部門と連携し、地域創生課題解決能力と融合的視点をもつ 理工系グローバル・リーダー人材育成を目指した取り組み(G-DORM)を行っています。

工学基礎教育部門
 工学力を修得するためには、物理現象を理論的に解析できる思考能力の涵養が必要です。 工学基礎教育部門では、理論的現象の解明に必要不可欠な数学に関する教育プログラム開発と 授業実践を行っています。

地域連携部門
 新潟県には、高い金属加工技術等を有する中小企業が集積していますが、経営規模が小さく、 新分野への展開が不十分であり、担い手も不足しているといった課題があります。 地域連携部門では、既存分野の高付加価値化、新規産業分野への展開など 次世代のものづくり産業を担える高度人材の育成、さらには新潟県内のものづくり企業群と 国際教育部門との強い連携のもと地域に根ざした理工系グローバル・リーダー人材育成を目指します。

数理・データサイエンス部門
 数理的思考に基づいて解析・問題解決を行う能力、データサイエンスを活用して新たな価値を生み出す能力、 有用なシステム構築につなげることができる能力を身につけた工学人材を育成するため、教職員と学生に情報提供をしています。

サイエンスコミュニケーション部門
 18歳人口減がいち早く到来する日本海側地域にある本学の実情を踏まえ、 社会的ニーズの把握や工学部の科学普及活動の現状に関する情報を集約することで、工学力教育による高大接続を推進しています。

創造工房
 創造工房は各種工作機械を保有しており、それらを扱える専門の職員が常駐しています。工学力教育センターの各取組において、 ものづくりを行う時や、他学部を含む各研究室の実験装置製作に協力しています。詳しくは以下のリンクをご覧ください。

新潟大学工学部 創造工房HP


部門長・協力教職員名簿

                                                       
役職 氏名 所属 担当部門等
センター長 佐々木 朋裕 工学部 機械システム工学プログラム
副センター長 馬場 暁 工学部 電子情報通信プログラム
事業強化部門(企画戦略担当) 清水 忠明 工学部 化学システム工学プログラム 部門長
事業強化部門(企画戦略担当) 小浦方 格 工学部 協創経営プログラム 副部門長
研究プロジェクト部門 管野 政明 工学部 附属工学力教育センター 部門長
研究プロジェクト部門 弦巻 明 工学部 技術部 副部門長
研究プロジェクト部門 羽田 卓史 工学部 技術部
研究プロジェクト部門 山田 拓哉 工学部 技術部
研究プロジェクト部門 山際 和明 大学院 自然科学研究科
(工学部 工学力フェロー)
開発プロジェクト部門 坂本 秀一 工学部 機械システム工学プログラム 部門長
開発プロジェクト部門 羽田 卓史 工学部 技術部 副部門長
共創センター
開発プロジェクト部門 弦巻 明 工学部 技術部
開発プロジェクト部門 山田 拓哉 工学部 技術部
開発プロジェクト部門 永野 裕典 工学部 技術部 創造工房担当
国際教育部門 馬場 暁 工学部 電子情報通信プログラム 部門長
国際教育部門 上田 和孝 工学部 附属工学力教育センター 副部門長員
国際教育部門 佐々木 朋裕 工学部 機械システム工学プログラム
国際教育部門 坪井 望 工学部 材料科学プログラム
国際教育部門 BELLAN SELVAN 工学部 附属工学力教育センター
国際教育部門 中野 祥子 工学部 附属工学力教育センター 特任専門職員
地域連携部門 小浦方 格 工学部 協創経営プログラム 部門長
地域連携部門 高島 徹 地域創生推進機構 副部門長
地域連携部門 長尾 雅信 工学部 協創経営プログラム
地域連携部門 阿部 和久 工学部 社会基盤工学プログラム
地域連携部門 若林 悦子 工学部 協創経営プログラム
地域連携部門 豊島 裕之 工学部 附属工学力教育センター
(工学部 工学力フェロー)
工学基礎教育部門 永幡 幸生 工学部 附属工学力教育センター 部門長
工学基礎教育部門 管野 政明 工学部 附属工学力教育センター 教育連携
推進専門委員
広報専門委員
工学基礎教育部門 高橋 剛 工学部 附属工学力教育センター
工学基礎教育部門 酒匂 宏樹 工学部 附属工学力教育センター
工学基礎教育部門 山本 征法 工学部 附属工学力教育センター
数理・データサイエンス
教育研究部門
山内 健 工学部 材料科学プログラム 部門長
数理・データサイエンス
教育研究部門
高橋 剛 工学部 附属工学力教育センター
サイエンス・
コミュニケーション部門
山内 健 工学部 材料科学プログラム 部門長
サイエンス・
コミュニケーション部門
原田 修治 工学部 附属工学力教育センター
創造工房 永野 裕典 工学部 技術部
創造工房 羽鳥 拓 工学部 技術部
創造工房 下條 遼太 工学部 技術部
センター総務担当 羽田 卓史 工学部 技術部
顧問 鈴木 孝昌 工学部 電子情報通信プログラム
顧問 鈴木 敏夫 工学部 化学システム工学プログラム
事務補佐員 桑原 亜紀 工学部 附属工学力教育センター
(センター総務担当)

安全管理

 工学力教育センターや創造工房が保有する機械類を使用し、様々なものを製作することや研究のための実験装置を自作することできます。 その際、使用するものが工作機械です。工作機械は金属等の材料を加工することができます。 しかし、金属も削れるほどの力を持つ機械なので当然危険も伴います。十分に教育をされていない者が使用すると、 怪我・失明・死亡等の重大な事故を引き起こす可能性があります。
 工学力教育センターでは、これらの工作機械を使用する前提条件として安全教育を行っています。 ものづくりプロジェクトや各研究室での実験装置製作のためには、安全教育の受講が必須となります。 安全教育は、どのような行為が危険か知識として知っておくための教育です。安全教育を受講し、 その知識が定着したことを確認後、少しづつ工作機械に慣れていってもらいます。工作機械を使えるようになるまで 以下の手順で安全教育を進めていきます。

  • 安全講座を受講し、工作機器利用者証の発行
  • 工作機器利用者証受領後、各機器ごとに安全作業の手引き等にて自主学習
  • 工学力教育センターHPに掲載されている(当該ページ下)「安全管理のためのweb試験問題」を受講
  • 満点を取れた場合、結果を印刷して担当者に提出
    ※ものづくりプロジェクトを含む工学力教育センター関連科目の受講者 → 工学力教育センター 羽田まで
    ※それ以外の学生 → 創造工房 永野まで
  • 利用許可印を工作機器利用者証に押印

 工作機械の使用許可が出たあとは、技術職員の指導の下、少しづつ工作機械の実際の操作を 覚えていってもらいます。おおむね一年は一人で工作機械を使用することはせず、技術職員や 先輩の指導の下、使用するようにしましょう。なお、工作機械をある程度使えるようになっても、 自分の力を過信せず、常に冷静で謙虚な気持ちで使用してください。安全を常に意識し、 絶対に事故を起こさないという意識を持ち続けてください。以下に、工作機械使用までの フローチャートと、「安全管理のためのweb試験問題」へのリンクを示します。

安全管理のフローチャート
安全管理のフローチャート

安全管理のためのweb試験問題

共用設備

 工学力教育センターは、下記表に示すような共用設備を保有しています。新潟大学内の教育・研究活動に限り、 機器貸付を行っています。いずれの機器も使用する場合は、以下の予約システムより予約してください。 なお、各機器の詳しい説明も予約システム上に記載されていますが、機器の使用方法が分からない、まずは加工できるか相談したい、 などの場合は、予約システムから「担当者への相談予約」を選択してください。
 創造工房の工作機械については、こちらのリンク(新潟大学工学部 創造工房) からご確認・ご予約下さい。


論文投稿の際の謝辞について

 工学力教育センターにおける共用設備にて製作された実験装置などで得られた研究成果を論文発表する際には、 謝辞に「工学力教育センターの共用設備を利用した」ことを明記して下さい。本センターのアクティビティを示す重要な情報となります。 ご協力いただきますよう宜しくお願いします。ただし大型プリンタの利用はこの限りではございません。

 以下に記載例を示します。

【和文】
本研究の実験装置は新潟大学工学部附属工学力教育センターの共用設備を利用して製作しました。
【英文】
This Work was supported by Education Center for Engineering and Technology, Niigata University.

 なお、実験装置製作に多大な貢献をした、実験装置製作の企画・設計段階から関わった技術職員がいた場合は、 共著者への追加もご検討ください。



工学力教育センター共用設備一覧


機器名 費目 料金 備考
FDM式3次元プリンタ ABSモデル材 \100/cm^3
PLAモデル材 \50/cm^3
TPUモデル材 \150/cm^3 ゴムライクな造形が可能
サポート材 \100/cm^3
使用料 \500/h
技術料 \500/回 stlデータは依頼者側で作成
光造形式3次元プリンタ モデル材 \50/ml
使用料 \500/h
技術料 \500/回 stlデータは依頼者側で作成
1軸NCボール盤 無料
卓上プレス盤 無料
大型プリンタ 厚口コート紙 \500/1枚 失敗分 \50/10cm
光沢フォト紙 \1500/1枚 失敗分 \150/10cm
\3500/1枚 失敗分 \350/10cm
技術料 \250/回 PPT/PDFデータ対応
レーザー加工機 加工料 \1500/30分まで 材料等は依頼者側で用意
技術料 \250/回 dxfデータは依頼者側で作成
基板加工機 加工料 \1000/30分まで 材料等は依頼者側で用意
技術料 \250/回 Gerbarデータは依頼者側で作成
CNC加工機
(薄板・小加工用)
加工料 \1000/30分まで 材料等は依頼者側で用意
技術料 \250/回 dxfデータは依頼者側で作成
マイクロスコープ
(Hirox社製)
使用料 \2000/30分まで
技術料 \250/回