100人力ネットワーク背景画像 100人力ネットワーク背景画像

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2009年度 第1回 教育・学習成果発表会

 今年度で2年目になる教育GPの第1回成果発表会(現 教育・学習成果発表会)を、2009年10月3日(土)、 新潟市のチサンホテル&コンファレンスセンター新潟にて開催しました。この発表会の中で、 100人力ネットワークの会議と、 工学部7学科が半年間それぞれに工夫を凝らして取り組んできた 「工学リテラシー入門」の成果発表を行い、その後、今回初の試みとしてポスターセッションを実施、 100人力ネットワークのメンバーの方々や教員は自由に移動できるので、 学生はより多くの人と色々なことを話すことができました。 それにより、より多くの意見を聞くことができたようです。
 工学リテラシー入門は、1年生対象のプログラムに4年生が指導的立場で参加します。学科によって、 さらにそのグループによっても成果は様々で、「4年生と1年生、経験の差が自信の差になっていて、 それが1年生に刺激を与える」、「1年生は“何のためにそれをやるのか?”という目的を忘れがち」、 「結果が思い通りに行かず、4年生のほうが困っていた」、「教える立場になるのは大変。 分かっているつもりで分からないことがたくさんあった」など、教員や学生からは様々な感想が出されました。 この教育GPの成果が問われるのはまだこれからですが、今後の学生の段階的な成長とその効果がおおいに期待されます。


100人力アンケート集計結果

マーケット・インターンシップについて
  • 民間企業の業務を見学することは、大変役に立つと思います。働いている人々の仕事の価値感や達成感、技術レベルの高さやモラルは実際に現場に行かないと体験できません。良い企画と感じました。
  • 昨年はかなり多くの発表がありましたが今年は2例でした。今年度はあまり多くのテーマに取組んでおられないのか?つまり学生が興味を示さないのか?とも思われます。この試みは学生さんが社会を知る上で有意義と思いますので宜しくお願いします。
  • 企画そのものは良いが、実際にこれに費やす時間が少なすぎ。会社訪問による表面的なものにとどまってしまう傾向が感じられる。訪問後の考える時間をもっととらせるようにさせてもらいたい。
  • 企業の活動や活かされている技術を勉強する良い試みだと思いますが、不充分な調査で安易な結論を導くことが後を絶たないようです。結論を得るよりは世の中の多様性を理解してもらった方がよろしいように思います。

つもり学習からの脱却について
  • 制度は大変よいと思った。特に4年生やM2に「指導する体験」を有する機会を与えたことがよい。
  • やってみせ、やらせてみせる教育は大切です。うまく推進していただきたいと思います。しかし「失敗しても良い」という方向に学生の意識を変えることは絶対に許されません。事前検討会を徹底して実施し、絶対に失敗をしないと思ってやる、それでもいろいろなことが発生する、それでもそれをのりこえて頑張る、そんな人を育てなければ、これからの日本が発展していくことは難しくなりますし、学生が就職して将来安定した生活もできません。
  • 高校までの知識を工学的に体験活用させる事も重要だと思いますが、一歩進んで大学で学ぶ基礎学問を反復体験させる事により力を入れた方が実践力が身につくと思います。

100人力ネットワークの在り方について
  • ボランティアであることを感じさせない、熱心で真面目、活発な活動していることが良く分かりました。有意義な活動であると思います。
  • もっとメールを使った学生とのQ&Aコミニュケーションがあっても良いと思います。また、会合の前に関連資料をメールで送っていただければ事前の準備が出来て助かります。テーマが沢山あるとコメントを付けるのが大変です。
  • 発表会だけの参加で学生との接触が少ないのでもの足りない感じがします。100人力のメンバーからは学生さんと一緒にいろいろこちらからも有意義な話がお聞きできて楽しみです。

将来に向けて、今後の工学力教育にたいする建設的なご意見
  • 4年生が1年生を指導する工学力教育の方法は非常に良いと思います。今年1年生が将来の1年生に先輩としてメッセージを残す歴史を構築していけたら新潟大として素晴らしいものと思います。
  • 座学、実験等、何をするにしてもコストはかかるもの、工学力教育の中にコスト意識を養えるプランがあってもいいと思います。社会に出て役に立つこと間違いないです。
  • 落ちこぼれを救うエネルギーとエリートを育てるエネルギーとどちらも大変な苦労があると思います。良い意味での厳しさを持ってくる学生に指導していただきたい。ゆとり世代の教育は大変と聞いていますが将来の日本を技術が支える教育・・・甘やかさない、理解理屈を考えさせる。本質を探ることを教えて下さい。
  • 一般的学生実験と組合わせて、よりじっくり時間をとって、より工学に必要な考え方(データの取扱いなどを含めて)を取り入れた方がよいと思う。本質について考える教育が必要と思う。

2009年度 第2回 教育・学習成果発表会

 2009年度の第2回教育GP成果発表会を、2010年2月20日(土)、新潟市のチサンホテル&コンファレンスセンター新潟にて 開催しました。100人力ネットワークの会議が行われた後、 今年度で2年目になる教育GPから各学科で取り組んでいる演習や 実験科目に工学デザインの要素を取り入れ、創造力や問題解決力の養成を図る取組が発表されました。 この取組と関連して、和歌山大学の秋山演亮教授から「宇宙教育による『まかせられる』人材育成」という題名で、 プロジェクトリーダーを育てる教育とはどのようなものか 講演していただきました。続いて和歌山大学のバルーンサット プロジェクトリーダー河瀬裕美さんから、実際の活動やプロジェクトリーダーならではの苦労話、チーム運営などについて 講演していただきました。
 創造プロジェクト(現ものづくりプロジェクト)やマーケット・インターンシップ、テクノロジー・インターンシップの発表後に行われた キャリアデザインワークショップでは、各学科の教員と100人力ネットワークの方々で、デザイン科目の内容や実施方法、 成果の評価方法などについて活発な意見が交わされました。学生アンケートでは、「企業での経験を基にした話には説得力がある」、 「普段聞けない企業の実情を聞けて将来を考える上で役立った」などの意見が多く寄せられました。


100人力アンケート集計結果

これらの工学力教育が企業のニーズに応えているかどうかについて率直な意見をお書き下さい。
  • 見直しを加え継続すれば企業のニーズに応えると思う。PDCAが重要であり、新潟大学ではPDCAがなされていると思う。
  • プロセスに重きを置く点では合っていると思われる。
  • ものづくりのプロジェクトに真剣に参加する事は非常によい経験だと思います。チームワーク、習った事を実務に生かす事、コミュニケーションなどが培われていると思いました。
  • 企業と大学とでは考えが異なるので、気力を持つ学生であれば良い。
  • 少人数のていねいな指導も良いと思いますが、大人数グループの作業で各人ができることを見つけるのも大切と思います。
  • 方向としては間違っていないと考えます。自分で考え、チームを利用し ものづくりの楽しさと苦しさを喜びとするようなポジティブシンキングのできる人材(人財)を育ててほしいと思います。

創造プロジェクト、マーケット・インターンシップ、テクノロジー・インターンシップについて、企業の側から見た場合の課題・問題解決の着眼点とは
  • 問題内容の明確化、それを解決するための着眼点の広範な視点からの検討。その中からどれをどのような順序に取上げどのようなスケジュールで解決するかを明確にして活動を進める。
  • 狙い、目標、目標値、計画をはっきりさせて進めることを次ステップで行って下さい。プロジェクトマネージャーはこれを設定し、進捗管理するのが良い。
  • 問題意識があれば課題が出てくる。すべてに通じる事だが、いかに問題意識を持たせるかが重要。
  • どれだけ広く物事を見ているか。検討項目をどれだけピックアップでき、それらに優先順位をつけて実行しているか。
  • 目標(あるべき姿)と現状のギャップを正確に把握し解決のための優先順位をつけること。
  • 課題に対する解決策は沢山ある。なぜその方法にしたのか、他ではだめかなど深く考えたことがみえる(見せる)ことが大切。
  • PDCAサイクルが確立されていること(自主的に)。改善の機会があり、活動が無理なく継続できること。
  • 通常企画ではプロセスを極力文書化する様に勤めている。現在の大学ではこれが出来るかどうか。
  • 何を作るか決めるのがスタート地点で、それを決めてから開発するプロセスをどう進めるか考えるのが重要。課題はその中から出てくるが、代替手段や技術を探す事も必要。
  • 先ず過去に学ぶ事をして課題問題点を明らかにしてオリジナル性を持たせる。

創造プロジェクト、マーケット・インターンシップ、テクノロジー・インターンシップについて、企業におけるプロセスの評価ポイントとは
  • 具体的進捗状況を見てプロセスに問題点はないか、問題が発生した場合は対応策がきちんと行われているか、プロセスの効率は高いか。
  • 結果が重要であり、いかにプロセスが立派でも結果が悪ければダメ。ただし次につなげる意味でプロセスはきちんと整理しておく必要がある。大学では論理的に考える習慣をつけてほしい。
  • 目標とするシステム、製品ができて納品できないと意味はない。それが全て。
  • 全体のスケジュール、目標設定がきちんとできているか。それが不明なときは、はっきり見通しができるまで報告会を多く行う。

100人力ネットワークの在り方について
  • 折角多くの先輩たちが登録している訳だから普段からもっと活用した方がよいと思う。
  • 活発な討議、学生さんとの交流があり、有意義な活動だと思う。
  • 学生達のプロジェクトの進め方、プレゼンテーション段々質が向上してきた。継続する事が必要。
  • 多くの専門家がいると思いますが、問い合わせなどが殆どないようだ。単純に発表を聞かせて頂き、最後にディスカッションだけというのでは余り貢献した気がしない。
  • 事前に発表資料をいただければ、事前勉強調査して参加したいと思う。専門外の多分野に関わることなので当日では理解に苦しむ。

将来に向けて、今後の工学力教育にたいする建設的なご意見
  • ある程度大規範のプロジェクトで、多様な知識と能力を学生達が協力して発揮するような形が必要かも知れない。100人力ネットワークの会議でベーシックサイエンスの話が出たが、高等数学や物理の知識が必要となるような少しレベルの高いプロジェクトを用意しても良いのではないか?
  • 創造というものは、気持ちの持ち方が最重要である。やる気が第一、その次は企力(くわだてる力)、起力(もの事を始める力)の三つの「気」が必要と考える。その教育の仕方としては第一に成功体験を持つ人の話を聞く。第二に1つのテーマを最後までやる、やらせる(失敗でもいい)。第三に自由討論の場を与えて自分の考えを主張し他人を理解させる。このような教育をしたらいいのではないか。
  • 少子化で一人っ子の多い現在、更に地域で外遊びの少なくなった最近では、考え方やしつけを含めてスプーンフィーディングが当たり前。学生達のやる気、自主性を発展させる、つまり「その気にさせる」仕掛けが大切。
  • 今回お聞きした発表内容は趣味の域から出ていないものが多かったような気がする。
  • 先生は目標のみ提供しあとは考えて行動させるべき。
  • プロジェクトマネージャーの育成も大切かと思うが、そもそもプロジェクトメンバーのやる気、目的意識、達成感をいかに持続させるか。また成功体験と同様、失敗体験の乗越え方も現代の若者に必要と思う。
  • 21世紀を支える人材の育成、大型技術者、視野の広い人材の確保を期待。