Niigata University Smart Information Systems Niigata University Smart Information Systems 新潟大学工学部工学科 知能情報システムプログラム 新潟大学工学部工学科 知能情報システムプログラム

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プログラム紹介・研究室見学ツアー(動画),模擬授業(動画),研究紹介,講義紹介,学生からのメッセージの順にご紹介しています.
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1. プログラム紹介・研究室見学ツアー

1-1.【プログラム紹介】



1-2.【研究室見学ツアー】山田研究室



1-3.【プログラム特別企画:情報ワールドを体感してみよう!】




2. 模擬授業

2-1.【模擬授業1】 青戸 等人 教授:プログラムの原理


2-2.【模擬授業2】 飯田 佑輔 准教授:コンピュータが視る世界 ~画像データの取り扱い~







3. 研究紹介

知能情報システムプログラム研究室紹介

  • 知能情報システムプログラム研究室紹介
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教員別 研究紹介
(教員名をクリックすると,研究紹介が表示されます)

情報コア分野

 青戸 等人  教授 :書き換えシステムによる計算と証明

【 キーワード】: 計算モデル,等式論理,定理自動証明,ソフトウェア検証


 等式による変形は推論方法の1つとして広く用いられています.等式推論は,人にとって直観的に把握しやすい推論方法であるばかりでなく,場合によっては,計算によって効率的に推論を実現することが可能です. 等式を方向付けした規則(等式理論での公理を向き付けしたもの)を集めたものを書き換えシステムとよびます.書き換えシステムは,推論と計算という2つの側面をもつので,推論と計算を組み合わせた柔軟な操作に適しています.等式変形や書き換えという(一見)素朴な記号処理が,さまざまなソフトウェア検証や自動推論などにおけるいろいろな面での基礎付けとなり得ると考えており,書き換えシステムにもとづく定理自動証明や検証技術を研究しています.等式は一見単純そうに思えますが,等式の左辺や右辺に表現力豊かな対象を用いたり,あるいは条件付きの等式変形を考えたりなど,実は非常に柔軟な表現力があり,この領域にはソフトウェア技術としても計算機科学としても幅広い問題の裾野があります.
知能情報システムプログラム青戸研究室紹介

 阿部 貴志  教授 :人工知能で生物の謎を解き明かす

【キーワード】:ゲノムビッグデータ,機械学習,データマイニング,環境微生物,ウイルス


~ゲノムビッグデータから有用な知識を発見するための手法開発とその応用~

 バイオインフォマティクス(生命情報学)とは,生物学(医学や農学も含む)と情報学が融合した学問分野です(図1).ゲノムは生命の設計図であり,ゲノムを構成するDNAはA(アデニン),T(チミン), G(グアニン),C(シトシン)の4つの塩基の連なりで構成されています.ATGCを新聞の紙面に印字すると,ヒトゲノムでは朝刊の25年分(30億文字)の分量にも達します.朝刊の1万年分(4.5兆文字)を超える,ヒトをはじめとする様々な生物のゲノム情報が無償で公開されています.このゲノムビッグデータを有効活用するためには,計算機を活用した研究が必要不可欠です.
 我々は,人工知能を活用したゲノム情報解析手法の開発とその応用を行っています.例えば,ゲノムビッグデータから有用な知識を発見するために,全ゲノム情報をある一枚の2次元平面図上に集約し,その全体像を容易に可視化できる機械学習手法を開発し,生物系統ごとにグループ分け可能なことを示しました(図2).これはATGCの文字の連なりに微生物からヒトまでの全ての生物系統ごとに固有な特徴が存在していることを示しています.この解析は,通常の計算機では途方もない計算時間が必要なため,スーパーコンピュータによる大規模並列計算を行って,初めて得ることができました.
 このように効率的な知識発見を行うために開発した手法を用いて生物の謎を解き明かすべく,環境中に潜む新規なお宝微生物やお宝遺伝子の探索,地球環境や生育環境の変化に対する生物多様性の獲得や環境適応プロセスの解明などに取り組んでいます.

知能情報システムプログラム阿部研究室紹介

 上野 雄大  准教授:未来の情報社会を支える新しいプログラミング言語

【キーワード】:プログラミング、プログラミング言語、コンパイラ,システムソフトウェア


 人類が答えを導きたい問題とその解き方を、何らかの言葉で、文字の並びとして書き表すことを「プログラミング」と言います。プログラミングはコンピュータやインターネットを様々なかたちで使いこなす上で欠かせない作業です。それは、情報社会にイノベーションを与える格好いい作業であるのと同時に、繊細な注意と大きな責任が伴う面倒くさい作業でもあります。
 当研究室では、プログラミングという行為そのものやその周辺技術を直接の研究対象とし、プログラミングする対象の複雑さを保ったまま、プログラミング自体の難しさや複雑さを減らすような、今までにないプログラミングの方法を探究しています。なかでも、「関数型言語」と呼ばれる、命令しないプログラミング言語とその方法論に着目し、型理論やプログラム意味論などの基礎理論と、自動メモリ管理や並列実行などの実装技術の両面から、関数型言語の実用化に向けた要素技術を研究しています。また、最新の研究成果を反映した新しい関数型言語「SML#」とそのコンパイラの開発を推進しています。
知能情報システムプログラム上野研究室紹介

 高橋 俊彦  准教授:組合せの表現法とアルゴリズム

【キーワード】:組合せアルゴリズム,組合せ論,グラフアルゴリズム,グラフ理論,列挙アルゴリズム


 組合せ論は文字通り「もの」を組み合せてできる構造の性質を研究する分野です.また,組合せアルゴリズムは「もの」の組み合わせに関する処理を行う方法です.
 私たちの研究室では「もの」の組み合わせをコンピュータの内部でどのように表現すれば効率的なアルゴリズムができるかを研究してきました.特に,何らかの条件のもとで最適な組み合わせを効率よく見つけるアルゴリズムのための組合せの表現法を発表してきました.最近ではこのノウハウを生かして,いろいろな組み合わせを列挙(重複や漏れがないように数え上げる)アルゴリズムの研究も手掛けています.例えば,長方形を線分で区切る方法や,正三角形からなる図形で平面を埋めることができるものなどの列挙手法を発表しました.
知能情報システムプログラム高橋研究室紹介

 萩原 威志  助教 :属性文法モデルの応用からウェブ,仮想化環境の応用など

【キーワード】:ウェブシステム,ウェブアノテーション,P2Pサービス,属性文法,仮想OS,仮想ネットワーク,仮想化環境


 下記のような研究を幅広く行っています.
  * 属性文法の応用
   - ツリー,あるいは階層モデル化に基づくソフトウェア開発やメンテナンスの効率化
   - 状態永続化とインクリメンタル計算に基づく属性文法処理系の構築
  * ウェブベースシステム
   - ウェブアノテーションサーバーの実装とその応用
    (P2P通信によるサーバー組織化と応答性能の確保)
  * 計算機演習システム構築
   - 特定領域の計算機演習環境をすばやく用意できるように


情報通信技術(ICT)

 大河 正志  教授 :光波利用センサおよび測色計に関する研究とKAGRAプロジェクト

【 キーワード】: センサ,IoT,測色計,ニューラルネットワーク,重力波


 皆さんは,「センサ」という言葉を聞いたことはありますか?普段の生活では,あまり聞かない言葉かもしれませんね.センサは,人間の五感にあたる素子(一種の電子部品)で,温度,湿度,圧力,加速度,磁気,光(明るさ)などをその量に応じて,電気信号の大小に変換してくれます.皆さんのスマートホンにも,地磁気,気圧,角速度,加速度などを測るセンサが組み込まれています.
 私たちが開発するセンサは,光波が関わる現象を利用して,センサ機能を実現しているところが特徴的で,漏電の心配がなく,電磁的な雑音にも影響されにくいという利点を有しています.津波生成時に生じる微気圧変動を検知するセンサやMRI検査室内でも使用可能なマイクロホンの実現を目指しています.
 センサの研究以外にも,ニューラルネットワークを利用して,様々な照明環境下でも,測色が可能な測色計の開発を行っています.さらに,日本での重力波検出を目指す大型低温重力波望遠鏡(KAGRA)の国際研究プロジェクトにも参加しています.
知能情報システムプログラム大河研究室紹介

 山田 寛喜  教授 : 電波による高分解能イメージング・知的センシングに関する研究

【キーワード】: センシング,電波,レーダ,機械学習,合成開口レーダ,ドップラレーダ


 電波により様々な物体を観測すると,人間の目すなわち光では得ることができない情報を得ることができます.波動情報研究室(山田研究室)では,このように電波を用いた観測,すなわちレーダによる観測データを用いて,高度な物体検出,認識を行う研究を進めています.その一つは屋内の人物の行動推定です. 図1は歩行している人物を観測したデータで,動きの速さと距離の時間変化の情報を含んでいます,このような多次元情報を活用した機械学習による高度な行動認識の実現に取り組んでいます.また,人工衛星や航空機から観測された合成開口レーダ画像の高度化も進めています.合成開口レーダの画像は地図のような2次元画像ですが,複数のデータを用いた3次元化(図2)を行っています.これらによる災害や社会インフラモニタリングへの応用を進めています.

知能情報システムプログラム山田研究室紹介

 石井 望   准教授:海水や生体などの損失媒質における電磁界応用システムに関する研究

【キーワード】:海水,生体,損失媒質,電磁界,位置推定,比吸収率,RFIDタグ


 電子回路技術,計測技術,シミュレーションの発展に伴って,海水や生体などの高損失媒質中においても電磁波が利用できる可能性を見出そうという動きが世界的に高まっています.石井研究室では,1) 海難事故の際の救助活動支援を目的とした,浅海域における海中位置推定,2) 携帯電話などの電波安全性指標である比吸収率(SAR)の測定における電界プローブ較正,3) RFIDタグの受信信号強度(RSSI)時系列変化による手足の屈伸運動などのヒトの動きの判別などの研究を行っています.

知能情報システムプログラム石井研究室紹介

 今村 孝   准教授:人の行動・移動を支援する情報・メカトロニクス

【キーワード】:機構学,メカトロニクス,行動の計測とモデリング,移動支援工学


 皆さんは普段どのような移動手段をつかっていますか?電車や自動車はとても便利で私たちに飛躍的な移動能力を提供してくれます.一方で,道に迷ったり,事故の危険性があったり,移動にはいろいろな不安や不便も伴います.
 私たちの研究室では,人の移動に必要な運転・運動能力の支援,情報の収集・提示のしくみ,安全性の評価など,移動の課題の解決策や新装置を開発しています.
 図1は,移動距離に応じた手段を示したもので,これに利用する人の身体能力を組み合わせた状況を考えて,それぞれの場面で必要な支援技術を検討しています.
 その一つとして,車いすを利用する方の支援装置(図2)を紹介します.近年では,屋内外で階段や段差を減らし,移動しやすくする「バリアフリー設備」が整備されています.しかし,鉄道では,人の乗り降りやカーブによって車両が傾いた時の衝突を防ぐために,車両とホームの隙間をゼロにすることができません.このように解消できないバリアを自力で踏破する装置を開発することによって,車いすを利用する方の気兼ねなく自由な移動の実現を目指しています.

知能情報システムプログラム今村研究室紹介図1
図1:移動距離の変化に対する移動手段

知能情報システムプログラム今村研究室紹介図2
図2:車いすの鉄道利用を支援する装置

ビッグデータ・社会実装

 山﨑 達也  教授 :AI+データ分析+地域振興=スマート農業

【キーワード】:スマートライフ,ビッグデータ,人工知能,スマート農業


 新潟県の特産品の一つに洋ナシ「ル レクチエ」があります.秋の収穫後に贈答品などとして使われるので,味だけでなく外観の美しさも価値を左右する要因になっています.外観の品質を劣化させる原因としては,傷や農薬や湿気による変色,種々の病気が引き起こす変質があります.現在は,これらの原因ごとに人の目で外観汚損の程度を判別して等級を選別していますが,大量の洋ナシの選別作業は大変な負担となっています.
本研究では,画像解析の技術を用いて,洋ナシの外観品質の評価を人間に代わって行うシステムの開発を目指しています.現在開発中のシステムを図1に,これによる分類結果を表1に示しますが,全体として80.9%の正解率が得られています.
 当研究室では,この研究に限らず多様かつ大量のビッグデータを分析し,人間と親和性の高い情報通信システムの研究開発を行っており,他には介護施設での支援,災害時の避難シミュレーション,モバイルアプリの使い勝手の評価,日本酒評価データの収集と分析など,地域の産業,文化,生活の振興のために役立つ研究に取り組んでいます.

知能情報システムプログラム山﨑研究室紹介1
洋ナシ果実の外観品質評価システム.カメラで多数の画像データを撮影し,収集した画像データの中で外観汚損と判定されるところを検出し,コンピュータ内で外観汚損の原因名の印(ラベル)を付けます.その結果,外観汚損の画像データとラベルの組み合わせがデータベース化され,ここから各外観汚損の原因と実際の画像の見た目とどのような関連があるかをコンピュータが学習します.これは人が同じような問題を多く解答していくと,大体の傾向が分かり,学習できるメカニズムに類似しているので,機械(コンピュータ)による学習という意味で機械学習と呼ばれています.本システムでは機械学習の中の一つである深層学習という手法を用いています.このような方法で外観汚損の検出と原因の分類し,最終的に洋ナシ果実全体の外観評価を行います.
知能情報システムプログラム山﨑研究室紹介2
外観汚損原因の分類実験結果.汚損原因として,物理的な衝撃である打撲痕と線状痕,湿気によると思われる斑点状汚損,農薬の影響による薬班の四つを選び,356枚のデータの分類を行った結果です.左の欄が正解を,それぞれの右側にコンピュータが判定した分類数を示しています.対角線の部分が正解となり,それ以外は誤った分類となりますが,誤りが発生している原因は,学習に用いることができる画像データが少ないことなどが挙げられます.今後,画像データ数を増加させ,人の判断にできる限り迫れるようにシステムを改良していく予定です.

 中野 敬介  教授 :移動体ネットワークの研究

【 キーワード】: ネットワーク工学,移動体ネットワーク,情報フローティング


 移動体ネットワークの代表的なものとして,携帯電話サービスを提供するセルラネットワークがあります.セルラネットワークでは,隈なく配置された基地局を経由して通信を行います.
 一方,基地局のようなインフラを経由せずに,移動体同士が直接無線通信を行うネットワークもあります.これらは様々なものがあり,
  • ・移動体が中継を行って多段の経路を作って通信するもの(マルチホップ無線)
  • ・移動体が移動することで情報を運び伝達するもの(Delay Tolerant Network,エピデミック)
  • ・指定された地域だけで送信することで情報を浮遊させるもの(情報フローティング)
などがあります.

 本研究グループでは,近年以下のような情報フローティングの研究に取り組んでいます.
  • ・情報フローティングによる災害時の情報配信
  • ・情報フローティングによる仮想的な情報蓄積機能の研究
  • ・情報フローティングの理論的な性能評価

 また,その他にも電気自動車の充電ネットワーク等,様々な移動体ネットワークの研究を行っています.

知能情報システムプログラム中野研究室紹介
図. 情報フローティング

 飯田 佑輔  准教授:宇宙科学におけるデータサイエンス研究

【キーワード】:天文情報学,ビッグデータ,機械学習,太陽圏物理学


 宇宙科学におけるデータといったときに,みなさんはどのようなものを思い浮かべますか?現在の宇宙科学分野では,多くのデータはデジタル化され,様々な種類のデータが大量に蓄積されていっています.このような状況から,宇宙科学と情報科学の融合分野(天文情報学;Astro-Informactics)と呼ばれる分野が形成されつつあります.飯田研究室では,宇宙科学データの情報科学技術を用いた分析から,「宇宙に対する人類の知見を進めること」とそれにより「情報科学技術を発展させること」を大きな目標としています.現在は,特に太陽活動のメカニズム理解とその活動現象予測を進めています.太陽大気活動は,太陽フレアなどの爆発現象に伴って宇宙空間にプラズマを放出し,地球周辺の人工衛星や宇宙飛行士に多大な影響を与えます.その理解と予測に,画像認識を利用した衛星観測ビッグデータ解析や深層学習による太陽フレア予測モデル構築などから挑戦しています.

知能情報システムプログラム飯田研究室紹介
図1. 画像認識を利用した太陽表面磁気塊の自動追跡

 宮北 和之  准教授:災害時に役立つ移動情報ネットワーク

【キーワード】:移動情報ネットワーク,災害時情報通信,ドローン,仮想道路


 私たちの研究室では,移動情報ネットワークに関する研究を行っています.移動情報ネットワークとは,移動する端末(スマートフォンを持った歩行者,自動車,ドローンなど)によって構成される通信ネットワークで,基地局が無くても通信できるため,災害時の通信などに期待されています.具体的な研究の一例として,災害時に物資輸送や復旧活動等をしているドローン間で,直接無線通信によって情報共有することを考え,より通信しやすくするためにドローンのための仮想的な道路を設定するいうことを考えています.このような仮想道路を設定した場合の通信性能の評価や,仮想道路の最適設計などの研究をしています.上記は一例ですが,様々な種類の移動情報ネットワークを考え,ネットワークの制御,理論性能評価,セキュリティ等の研究を行っています.

知能情報システムプログラム余研究室紹介

  余 俊   助教 :進化計算による最適化に関する研究

【キーワード】:進化計算,計算知能,ソフトコンピューティング,最適化


 自然選択や適者生存等で環境適応できる個体を増やす生物進化の原理にヒントを得て,工学的に提案された逐次最適化手法が進化計算です.性能をより向上させ,コストをより下げる設計解をより早く得ることはすべて最適化なので,国内の代表的な進化計算応用事例には,新幹線N-700系型先頭車両の形状設計,JAXAのロケットの飛行計画,三菱スペースジェットの尾翼設計など多数あります.しかし実問題では,最適化する設計変数が多い,解の制約が厳しい,複数の目的を同時に満たす必要がある,計算コストが高い,等の多くの困難が伴う最適化問題も多々存在します.
 我々の研究室ではこのような複雑な実問題にも対処できるよう,数理的基盤に基づいて探索効率の向上を目指す新たな最適化の枠組みの構築を行っています.さらに今後の研究の展開方向として,計算知能技術であるニューラルネットやファジィシステム,さらには,機械学習等の技術も導入して,実応用に耐える最適化技術の確立に邁進しています.

知能情報システムプログラム余研究室紹介




4.講義紹介

本プログラムで学ぶ代表的な専門科目をご紹介します
(講義名をクリックすると,講義紹介が表示されます)

1年生:工学全般や情報電子分野の基礎科目,教養科目を学びます.

  総合工学概論,知能情報システム概論,コンピュータ基礎,プログラミング基礎など

2年生:ソフトウェア,ネットワークなどの基礎的な科目を学びます.

 プログラミングAI・AII

【担当教員】上野 雄大 准教授,余 俊 助教


 2年生で実施されるプログラミングAIでは,様々なプログラミング開発の基礎となり,科学計算にもよく使われているC言語の発展的事項を学びます,C言語は,1年生時のプログラミング基礎I・IIから引き続いての学習となりますが,より深い仕組みの学習や複雑な,しかし見通しのよいプログラミング開発を行います.プログラミングAIIでは,プログラミングAIの学習事項を基礎として,C++言語を学びます.ここでは,大規模なプログラミング開発を効率的に行うためのオブジェクト指向の考え方を身に付けます.プログラミングの学習では,学んだ技法をしっかりと習得して実装できることが重要です.そのため,これらの講義では数多くの演習問題も実習します.また,知能情報システムプログラムでは,他にも関数型プログラミングや,データサイエンス分野でよく使われるPythonを学ぶ講義もあり,それらを学ぶ際の礎となる講義となっています.
知能情報システムプログラム講義紹介プログラミングAI・AII紹介

 コンピュータネットワーク

【担当教員】中野 敬介 教授


 現在の情報社会を支える技術には様々なものがあります.コンピュータやソフトウェア(OS,アプリ等)はもちろんですが,これらと並ぶ大切な技術としてネットワークがあります.代表的なネットワークとしてインターネットがありますが,我々は普段からインターネット上で電子メール,WEB, SNS,ネットショッピング等のサービスを利用しており,もはや生活の一部になっていると思います.
 知能情報システムプログラムでは,ネットワークについての講義として,「コンピュータネットワーク」,「ネットワーク工学」があります.「コンピュータネットワーク」では,コンピュータネットワークの歴史,基本技術やサービス等,コンピュータネットワークの基本を身につけます.パケット通信の仕組み,インターネットを動かしているTCP/IP等の通信プロトコル(通信のための規約,手順)を学びながら,WEBアクセスや電子メール等の我々が普段利用しているサービスがどのように実現されているのかを考えていきます.
知能情報システムプログラム講義コンピュータネットワーク紹介
インターネットでは,情報はパケットに分割され,ルータと呼ばれる機器によって適切な宛先に運ばれます.
宛先コンピュータは,受け取ったパケットを再構成して情報を取り出します.

図1.ネットワーク上でのパケットの流れ

 データ構造とアルゴリズム

【担当教員】高橋 俊彦 准教授


 私たちの暮らしはコンピュータなしでは成り立ちません.そして,コンピュータが動くためにはプログラムがなければなりません.スマホやパソコンのアプリは皆さんが直接操作できるプログラムですが,電気を家庭に送る,電車やバスに乗る,ATMでお金を引き出す,買い物をする,病院で診察を受けるなど,他にも数えきれない様々な場面でプログラムが働いています.
プログラムはコンピュータに望んだ仕事をさせるための指令の集まりですが,コンピュータに与える指令の一つ一つは非常に単純な操作です.そこで,プログラムを作る前に,まずコンピュータがどのような指令(操作)をどのような手順で行えばよいのかをきちんと考えておかなければなりません.この手順を記述したものがアルゴリズムです.
この講義ではアルゴリズムの良し悪しを見積もるための手法やよりよいアルゴリズムを設計するための技法の基礎を学びます.
知能情報システムプログラム講義データ構造とアルゴリズム紹介
プログラムはコンピュータの内部では機械語に翻訳されています.
写真はあるプログラムの一部です.
一見なんだかわかりませんが,ちゃんと意味のある指令をコンピュータに与えています.

 形式言語とオートマトン

【担当教員】青戸 等人 教授


 コンピュータで扱える代表的な対象に記号があります.例えば,'a'や'b'などは記号です.記号を並べたものを記号列とよびます.2つの記号だけでも,いろいろな記号列が作れますね.例えば,'ab','bab','aabb',などなど.「オートマトン」は,記号列が,ある法則に従って並べられたものかを判定する計算機構です(図参照).
 オートマトンで表わせる法則には「正規言語」という名前がついていて,オートマトンの技術は,コンパイラなどの重要な基幹ソフトウェアに使われています.
 この講義では,オートマトンのさまざまな性質やオートマトンで表わせる法則の限界などを学びます.また,このような法則の表し方にはさまざまな方法があることを学び,高度なソフトウェアで用いられる,正規言語や文脈自由言語といった重要な概念を学びます.
知能情報システムプログラム講義形式言語とオートマトン紹介
図1.「前半は'a'の列で後半は'b'の列」という法則を表わすオートマトン.
start で示されているマスから始めて,記号にしたがって,マスを動いていきます.
'aabb' なら,w→ x→ x→ y→ yと辿って y のマスに到着します.終わったときに,二重丸◎のマスの上にいるかどうかで,判定します.
すごろくに,とっても似てますね.

3年生:人工知能,ビッグデータなどの応用的な専門科目を学びます.

 人工知能基礎

【担当教員】山﨑 達也 教授


 人工知能(AI: Artificial Intelligence)は,自然界の様々な知的な活動を,コンピュータやロボティックスを用いて人工的に実現させようとすることを目指す学問です.これまで人工知能には三回のブームがありました.現在は第三回目のブームの時期にあたります.この講義は,それぞれのブームのときに考え出された人工知能の代表的な手法を取り上げながら,そもそも人間のもつ知能とは何であろうかという問いに迫ろうとするものです.具体的には,人間の考え方に学び,問題のゴールのたどり着くための探索方法や,知識の表現方法や推論手法,そして例題やデータから知識を発見していく学習方法などについて説明します.さらに,現在人工知能は,自動運転やコンピュータによるゲーム,画像認識,情報検索や音声や言語の処理など,様々な分野で応用されていますので,基礎的な手法がこのような応用の中でどのように使われているのかも併せて紹介します.

知能情報システムプログラム講義人工知能紹介
図1.人工知能の概要.

 データ工学

【担当教員】阿部 貴志 教授


 みなさん,データ科学(データサイエンス)という学問分野は聞いたことがありますか?では,データ工学(データエンジニアリング)とデータ科学の違いは何でしょうか?
データ科学を牽引する人工知能を例にすると,これまでの経験を基に,これから起こりそうなことの予測や,想像もしなかった関連性の発見などを想像するかもしれません.しかし,それらを実現するためには,人工知能だけでなく,多種多様かつ膨大なデータ(ビッグデータ)が必要です.
しかし,データがあれば,人工知能が勝手に理解して,学習してくれてくれることはなく,人工知能が理解(学習)しやすいデータを準備する必要があります.
 データ工学は,ビッグデータと対話するのに必要なデータ活用技術(データの取得,整理,抽出,可視化など)であり,我々人間や人工知能が理解して,ビッグデータから新しい知識発見へと繋ぐ重要な役割を担います.
本講義では,実際の様々なビッグデータを利用し,それらのデータに応じて,人工知能などを用いたデータ分析を行いながら,データ活用に必要な知識や技術の理解を深めていきます.
知能情報システムプログラム講義データ工学紹介
図1.データ工学の概要.

 アシスティブ・テクノロジー

【担当教員】今村 孝 准教授


 「アシスティブ・テクノロジー」とは,障がいのある人や高齢の方などの生活機能の向上・低下の防止・改善を目的とする技術全般を指す言葉です.現代社会は,高齢化が進んで生活上の支援を必要とする人が増えたり,障がい者の社会参加やパラリンピックなどのスポーツ競技が盛んになったり,技術的なサポートを求める人々も多様化しています.
本講義では,支援技術の基礎知識を学びながら,さまざまな社会の格差(情報,経済,教育など生活状況や能力の違い)の解決策を学生間で議論し,社会の課題をとらえていきます.また,機械・電子・情報工学を用いた最新の支援技術の研究成果に触れながら,その活用方法を創造(想像)する力を養います.

知能情報システムプログラムアシスティブ・テクノロジー紹介

 知能情報システム実験Ⅰ~Ⅳ

【担当教員】本プログラム担当/協力教員


 知能情報システムプログラムでは,コンピュータやネットワークを直接操作し,計算方法を構築する情報基礎技術と,ロボットやネットワークを通して提供されるサービスなどの情報応用技術を学びます.このように講義で学んだ知識を実際に組み立てながら確認したり,グループで協力・議論したりすることで,技術として実体験するのがこの実験科目です.なかでも「ロボット制御基礎」では,車輪で移動する小型ロボットを用いたライントレース(黒線をたどる走行)競技を題材に,周辺環境の情報を用いたり,事前計画にもとづいたりする複数の制御方法を調整・試行錯誤しながら,そのメリット・デメリットを考察し,情報技術への理解を深めます.

知能情報システムプログラム講義知能情報システム実験紹介

4年生:研究室に所属して,教員とともに研究に取り組みます.

大学院自然科学研究科:知能情報システムに関する高度な研究に取り組みます.




5.学生からのメッセージ

学生の項目をクリックすると,メッセージが表示されます


 大学院 博士後期課程(博士課程) 2年生からのメッセージ
 自由度の高い大学生活で,学部生の頃は講義以外にも部活動や留学プログラムに参加しました.特に,インターンシップや研究活動を含む2か月のベトナム留学では,現地学生との英語での議論や日常生活でのやり取りを通して,語学力だけでなく,意見や考え方を共有する力が身につきました.
 現在は大学院で高齢者の歩行支援機器開発に関する研究をしています.高校生の頃に義足技術に興味を持ったことをきっかけに新潟大学工学部に進学し,将来は福祉機器や支援技術の研究開発に携わりたいと思うようになりました.研究ではシミュレーションや機械設計製作,実験・データ分析を行いますが,研究室の先生や学生はもちろん,他学部・他学科の先生にもアドバイスをいただけるので,広い視野で研究を進められています.

知能情報システムプログラム学生のメッセージ

 大学院 博士後期課程(修士課程) 1年生からのメッセージ
 私は,無線通信分野における5Gシステムの簡易的な評価方法について研究をしています.また,学会発表を目標に日々取り組んでいます.学部生のころと比べ,研究の専門性が高く難しい研究であると感じています.一方で,研究を進めることで課題を見つけ考え,実行するという力を身に着けることができると思います.現在は,研究室のメンバーとともに研究,実験を行い充実した日々を送っています.大学では幅広い分野に興味を持ち,様々な人と交流をすることで多くの知識や経験を得ることができます.大学での経験を通して,将来,幅広い分野で活躍できる人材を目指して勉学に励んでいます.

 工学部工学科知能情報システムプログラム 4年生からのメッセージ
 私は高校生の頃AI技術に興味を持ち,AI技術について学ぶために新潟大学工学部に入学しました.4年生になった現在は,所属研究室で画像処理やAI技術を用いた研究を行なっています.研究室活動の中では先生や学生との議論や自分のテーマについて説明する機会があり,これを通して理論的に物事を考える力や質問対応力が身に付きます.また課題を設定し,達成した後に再検討し新たな課題を設定する,というサイクルを通して徐々に目標に近づいていくのはとても達成感がありやりがいがあります.大学には自分と同じことに興味を持つ学生やその分野について深い知識を持つ先生がいます.他者との対話や議論を通して自分では考えつかないような視点から物事を捉え自分を成長させることもできます.これにより多角的な視点を持った技術者になれるよう頑張っています.
知能情報システムプログラム学生のメッセージ


更新日:2023年8月8日