新潟大学工学部(力学分野) 機械システム工学プログラム

女子学生座談会2015Voice 2015

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 女子学生座談会も3年目を迎えました.1年目は機械システム工学科に進学しようと思った切っ掛けなどについて,2年目は女子学生のキャンパスライフについて語ってもらいました.
 今回は,女子高校生への情報提供として学生生活だけでなくて,研究テーマについて説明するのもいいかなと思っています.大学に入ったからには,勉強するのはするんだけども,研究室に入ってどういった研究をするかとか,そういう情報提供は,女子高校生だけでなく,今日来てもらっている学部の1年生,2年生,3年生にとってもよい情報になると思って,企画をしたわけです.
 座談会を始める前に,学部の女子学生は,修士学生2名の研究室について各30分程度の見学を行いました.一つは,速く流れる空気中に置かれた円柱や角柱により騒音が生じる原因をシュミレーションで調べる研究で,もう一つは潤滑機構を調べるもので擦(こす)られた摩擦痕を電子顕微鏡で観察するものでした.学部生にも研究室や実験装置の見学を通して,修士学生の研究生活の一端を肌で感じてもらおうとしました.

【出席者】
学部1年生 3名
学部2年生 1名
学部3年生 1名
大学院修士1年生 4名
大学院修士2年生 1名
司会 学科教員

Q1.今日の見学会の感想を教えて下さい.
Q2.研究の生活ってどうなんでしょうか.
Q3.修士の学生さんはどういうふうに研究室を決めたんですか.
Q4.研究の内容と就職は一致しないか.
Q5.研究って学部の授業の延長ですか?
Q6.今日のまとめとして,この座談会は有益でしたか.

Q1.今日の見学会の感想を教えて下さい.

司会:
では,始めましょうか.短時間でしたが見学内容はどうでしたか.学部1年生は訳のわからないまま連れ回された感じがあるかもしれないけど.見学を引き受けてくれた修士学生も感想を気にしていると思うので.
1年A:
私には難しかったです.
1年B:
研究内容は私も同じく難しいと感じました.それよりも,パソコンラックにミニカーやフィギュアなど,いろいろ自分の好きなものがたくさん並べて置いてあったじゃないですか.そんな事をしてもいいんだと意外に思いました.
1年B:
4年生とか実験でいつも忙しそうにしているので,ブラックだと心配していたけど,趣味のものなどを見て,少し安心した.
修士2年:
心配されていたんだ!(笑)
司会:
そういうことね.修士学生は自分とは違う世界で生活してるんじゃないかと思ってたけど,意外と同じだということがわかったと.
修士2年:
よかった~.
2年:
かぶっちゃうんですけど,私も正直授業についていくのが精一杯で,あんまり研究室のことはまだ考えてなくて,もっと勉強!勉強!,研究!研究!みたいなイメージだったんですけど,自分の好きなものとか置いてあって,自分の家みたいになっていたのがいいなと思いました.
司会:
今日の見学は参考になった?
2年:
そういう雰囲気がわかっただけでも,だいぶ参考になりました.
司会:
そうか.じゃあ今日の見学会は広めた方がいいのかもしれないね.男子の学生さんにも.
2年:
そうですね.
3年:
やっぱ3年になると授業で可視化だったり,摩擦だったり若干扱ってくるようになるので,そのような座学で得た知識がどのように生かされているのかを実際に体験できるのはよい.
司会:
研究室での過ごし方は経験がないので,勝手な想像や妄想があるかもしれないけど,今日見学したことによってわりと身近に感じたことは?
1年B:
わりかし,フリーダムに生活しているなと思った.
2年:
研究室にある高価な機械を自分で自由に使っていいんだなっていうのがわかった.
司会:
学部生に研究についての感想を求めるのはちょっと荷が重いですかね.じゃあ逆に今日説明してくれた人に感想を訊いてみようかな?感想というか,修士1,2年生は研究しているわけだけど,自分が学部生のときに,今の自分の姿を想像できたかどうか.研究することに対して,何か戸惑いとかありました?
修士1年B:
私は研究室を決めるまで結構迷いました.それで,ぎりぎりになって,この研究室に決めました.もともと自分の中で研究室のイメージがあまりなかったので,最初戸惑ったところはある.今日の説明では,最初の部分をはしょってしまったので申し訳ない.もう少しわかりやすく説明できるように努力しないと,と思いました.
修士2年:
研究室入る前は,いろいろと噂があるから(笑)それなりに覚悟を決めて入った感じでした.だけど,ソファとかもあるし,ああやって趣味のものを広げてもよかったりして,研究がわかっていくことによって研究室にいることが楽しくなるし,それ以外の部分でも自分の家のようにある程度ゆっくりしてOKという感じになって,だんだん慣れて今のようになってきた.今日の説明は日ごろわかっている人にしか説明しないので,予備知識のない人に対する説明がなれてないのもあって専門用語が多くて反省している.
司会:
どうでしたか,聞いていて.修士学生も学部の時は同じように感じていたみたいですね.何となく雰囲気はわかったでしょ.
みんな:
雰囲気は(笑)

Q2.研究の生活ってどうなんでしょうか.

司会:
マスターの人にきいてみようかな.自分が学部生のときに感じた疑問が研究室に入ってわかったということがあった?
修士1年D:
ベクトルを使った授業が学部時代にあったけど,その授業で習ったことを,当時はなんでこの計算をするのかわからなかったが,研究室に入って実際にベクトルを使って解析することがあって,教科書を引っ張り出してきて,そこでやっと「あ,自分はこういう計算をしてたんだ」っていうことが理解できた.だから,どうして今この計算をしてるのかっていう状況がわかって始めて,計算をしなきゃいけない理由がわかると思います.
司会:
なるほど.研究室は材料力学だっけ?材力でベクトル解析する?
修士1年D:
なんかあんまり材力っていうような研究してなくて,座標変換とかやってます.
司会:
ああ,関節の動きのことね.じゃあ材力はいらないね
修士1年D:
いやいや,使います(笑)
(爆笑)
2年:
実は,私はもともと理系科目があまり得意ではないんです.そこで,材力は最初間違えると大変だってきいていたので,10分位かけて問題を解こうとしたんですが,結局だめでしたね.
修士1年A:
考え方があってても,最初の計算を間違えるとすべてだめという…
司会:
1年生って授業に出てひたすら勉強してると思うけど,なぜ勉強しなければいけないかが分からないよね.さっきの話は,専門科目が実際役に立ったって話でした.
修士2年:
可視化を研究してるけど,私の本棚には可視化と,音の教科書と,流体力学の教科書と,あと機力の教科書が置いてあって,全部開く.可視化研だけど,「こんなに専門科目を使うんだ」って.
修士1年A:
流体研で野菜を洗っています.白菜を洗う研究をしています.
司会:
それで,学部の頃の経験って何か役に立ってる?
修士1年A:
流体研なので流体を使うんですけど,それ以外はあまり使わなくって.自分の専門と,先生から買ってもらった新しい専門書を読んでいるので,4年までに勉強したことはあまり使ってないかもしれないですね.
司会:
そうか.困ったコメントだな.
(笑)
修士1年A:
でも,新しい本や違う本などで知識が増えていくのは楽しいです.
修士1年B:
私のトライボロジー研究室では,専門の教科書を結構読んでいます.ほかの教科書も読むことはあるんですけど,ダイレクトに使うかっていうとそこまでではない.それよりは,ほかの論文を読んでいるほうが多いと思います.たまに機力が出てきたときに微分方程式を使ったり,ほかに流体や材料を使うこともあるんですけど,そのほかの論文を読んでいるほうが多いかなと思います.
司会:
研究室によって全然違いますね.
修士2年:
私の研究室では,何でもできるようになる人が一つの目標だから,シミュレーションもやるけど,設計して,「じゃあ工場入ってきて」っていわれて,フライス盤で加工して,実験して,プログラムつくって,解析してと,全部自分でできるようになる.学部の設計製図とか授業ではなんで手書きでやらなければならないのかと思ったこともあったけど,研究室に入るとたまに使うことがある.
修士1年B:
加工を自分でするんですか?
修士2年:
私はフライス盤しかできないけど,旋盤とフライス盤と…何でも使える人もいる.こういう実験がしたいってなったら,装置を買わないで全部自分で考えて.外側の装置とか.今ノズルとか,自分で1㎜の穴開けて,全部自分で作っている人もいる.
2年:
先ほどのお話を伺っても,本当に多岐にわたった研究をされているじゃないですか.2年生だとまだ勉強に集中しちゃうっていうのもあって(勉強だけで精一杯で),なかなか研究まで興味がわかないっていうか,何を自分がやったらいいのかっていうのがわからないんですよ.だから,皆さん何を基準に研究室を決めたのかっていうのをききたい.
司会:
今,基礎科目を勉強しているんだけど,勉強するだけで精一杯で,その延長線上に自分のやるべき何かが見えてこない?余裕がない?
2年:
ないわけじゃないんですけど,やっぱり成績とか関わってくるじゃないですか.いろんなことを考えると,結局皆さんはどういうふうに決めたのかなって.

Q3.修士の学生さんはどういうふうに研究室を決めたんですか.

修士2年:
私は風洞がとにかくやりたかったっていうただそれだけで.可視化も流体力学も成績はそんなに良かったわけじゃないけど,ただただ風洞試験がやりたくて.モータースポーツが好きだったから,よくモータースポーツの開発って風洞実験やるみたいなことがちらっと聞こえてくるから,風洞実験をとにかくやりたくて,風洞実験できる場所を探したら,それが今の研究室だった.それ以外のすべてには目をつぶった.
(笑)
だから,希望の研究室に入ってからほかのテーマも勧められたけど,「風洞しかやりたくないです」っていって風洞チームに入れてもらった.成績とかは全部置いといて.
司会:
何で風洞になったんですか.
修士2年:
もともとモータースポーツ関連の仕事に就きたくて.その中でも開発がしたかったから.設計やってる研究室ってあまりきかないっていうか,それに特化してる研究室ってあまりないから,じゃあそれ以外で自動車の開発にいちばん近そうなところで,その頃の自分の知識で考えて,風洞実験なら自動車関連に就職するときに使えるのかなと思って,風洞実験がやりたくて今の研究室です.
司会:
今の話はレアケースのような気がする.これがやりたいって強い気持ちを持ってる人って,意外と少ない気がするけど.
修士1年A:
そう.いちばん楽しい研究室へいくとか.
(笑)
2年:
結構皆さん「なるようになる」って感じで決めてらっしゃるんですか.
修士1年C:
私は結構入学した当初から制御関係の研究室がよくって.
司会:
みんなレアケースだね.
(笑)
修士1年C:
私は車関係の研究がしたくて.流体とかだと偏ってしまうというか,制御だとオールマイティーにいけるかなと思って,かっこいいなというのも単純な理由であって.シミュレーションだけの研究室もあったんですけど,実験もやりたいなと思って.実機に触れたいので,動く制御対象がある研究室でやりたかった.
司会:
何やってるの?
修士1年C:
悪路走行車やってます.
修士1年D:
私も大学入るときに生体力学とかやりたくて,どこがいいかなって探したときに見つけたのが今の研究室でした.福祉の学科もあったけど,介護とかそっち方向なのでやりたいのとちょっと違うと思って機械のほうで探したら,ひとつ研究室があったので,今の研究室に狙いを定めた.材力のⅡ(材料力学Ⅱという科目のこと)は落としたけれども.
(笑)
気にせずに研究室に入れたし,今も自分のやりたい生体力学を病院の先生と一緒にやらせてもらっているのでとても楽しい.
司会:
モチベーションが高かったんだ.みんな絵に描いたようなストーリーだね.
修士1年B:
私は3年生まで決まってなくて,入学当初は義手の研究をしたいと思ったこともあったけど,この大学では義手をやっているところはなかった.医療関係の研究室を当初想定していたけど,3年生になってそのほかの材料やトライボロジーのほうが楽しいなって,自分の興味が移って,今の研究室に決めたのは配属の時期ぎりぎりだった.
修士1年A:
私は何もない……
司会:
それが平均的なところかな.何もないっていうのが.
修士1年A:
何もないです.いちばんだめなやつです.
(笑)
司会:
本当にだめな感じで言うね(笑).
(爆笑)
修士1年A:
特に志望する研究や研究室などはなにもなかったし,研究室配属はGPA(成績のこと)で決めました.みんな,勉強してたほうが好きなところに入れますよ.
(笑)
修士1年A:
みんながどこの研究室を希望してるのかも早めにきいておいた方がいいです.
修士1年B:
探り合い.
(笑)
修士1年A:
結局人数の多いなって研究室はやめて,残ったところにしました.
(笑)
司会:
なんか生々しい話だね.でもそれが平均的なところかな.特にこれっていう興味はわかないけど,流れに乗って研究室が決まってしまうというのが普通のところじゃないかなって気がします.それで合ってるかな.
2年:
はい.いろんな話が聞けてよかったです.

Q4.研究の内容と就職は一致しないか.

修士1年C:
研究の内容と就職先とはそんなに一致しないという感じはありますか?
修士2年:
あー,一致しない.
修士1年C:
でも,結構インターンに行ったら研究内容使うなって思った.
司会:
自動車会社にインターン行ったんだっけ.何週間くらい?
修士1年C:
4週間行きました.
みんな:
すごーい!
司会:
大変だったね,4週間.
修士1年C:
そうですね.長いなって思ったんですけど.制御系のインターンに参加しました.
司会:
制御系でよかったね.
修士1年C:
本当にぴったりのところで.今やってる研究の知識を使って.
司会:
悪路走行だ.
(笑)
修士1年C:
駐車システムの開発,みたいな.一連の流れをやらせてもらって.だから研究室でちゃんと勉強しておいたほうがいいなと感じた.
司会:
それを感じられただけでも成果があったね.大学と違うところはどんなところでしたか.時間とかスピードとか.
修士1年C:
大学は無限に時間があるように感じる.深夜も残ってよい環境にいるので,無限にあるように感じるんですけど,会社は残業がここまでと決まっていたりするので,残れない.締め切りをしっかり守らないといけないのでスケジューリングがしっかりしているなと感じた.長々とやっているよりは細かいスパンで組んでいたほうが効率がよいと思った.考えてることは一緒ですけど環境が違う.
司会:
締め切りだよね,いちばんはね.締め切り守らないと生きていけない.
修士1年C:
実験がしやすい環境だった.4Sっていうのがあって,整理・整頓・清潔・清掃がすごく徹底されていたし,安全管理などもしっかりされていた.
司会:
大学ではやらないからね.やらないというか,その前にまず基礎勉強だもんね.
修士1年A:
研究室に入ってすぐには研究始めないんだなって思いました.研究テーマが決まるのが10月くらいで.研究テーマが決まってから先輩について,装置の使い方を覚えたり実験を一緒にしたり.
修士1年D:
でも,うちは5月にテーマが決まって,7月の終わりに学会の抄録を出しました.
(笑)
司会:
それはちょっと厳しかったね.
修士1年D:
あのときは辛かったですね.
司会:
それは研究室の事情だよね.
(笑)
修士1年D:
研究室によって特色が違う.

Q5.研究って学部の授業の延長ですか?

司会:
研究室での研究は,例えば学部で授業とるじゃない?それと同列かな?研究に特別な意味を持ってやってるのか,それとも卒業するためのひとつの単位と思ってやってるのか.意識が.
修士2年:
私は,単位をとるためにやってると思ったことはないかな.
修士1年D:
もともと興味があるテーマをやっているから.
修士1年A:
私はどっちも考えるな.一応自分の興味のあるテーマを選んでやっているけど,実験に失敗したりすると卒業できるのかなって思うときもあるし.
司会:
そういうところはやっぱり経験してみないとわからないかなと思うんだよね. 3年生はどう?卒業研究とか修士にいけば修士論文になるけど,それは3年までとってる授業科目と同列に感じてるのかな.
3年:
同列とは思っていない.やっぱり自分で行きたいところを選ぶので,そこでやることが自分のやりたいことであってほしいなという希望があるので,意識としては違います.
修士1年C:
1,2,3年のときよりも研究室に入ってからのほうが大変な気がします.3年生までは先生から教えてもらったことを反復してやっていれば単位がもらえるんですけど,研究室に入ると自分で勉強しないといけなくて,教えてもらえない環境の中で,先生に質問しに行けば教えてくださるんですけど,全部きくわけにはいかなくて,自分で論文を探したり目的意識をもったり,疑問があったらキーワードを探って調べないといけないので,教えてもらう環境じゃなくて自分で学ばないといけない研究のほうが大変です.
司会:
高校までの勉強と大学に入ってからの勉強はそこが違うと思うんだよね.さらに,学部の勉強と4年生の卒業論文がまた違ってくる大きなところだと思うんだけど.
修士1年D:
自分で勉強するのは難しいですね.
司会:
でもね,社会に出ればそういうことだから.誰も教えてくれないから.で,誰も教えてくれないといってすねてもしょうがないしね.そこの切り替わりをするところがいちばん大事なところで,早くそれに気付いてその気持ちにモードを変えてやれる人がたぶん社会で活躍できる人だと思うんだけど.
修士1年C:
それも結構練習が必要だと思います.自分で勉強しようと思ってすぐにできるものじゃなくて,どうやったらいいかみたいなことが最初は全然わからなくて,ゼミの予習とかも全然やっていなかったんですけど,大学院まできて1年半やってきてだんだんちょっとできてきたかなという感じです.そういう点では,学生から社会人に移り変わる良い期間だと思う.
司会:
そういう実感って皆さんにもありますか.
修士1年D:
今の研究室は外部の人と一緒に研究することが多いです.相手方というのは企業とか病院の先生とかだったりするので,自分の目上の方ですし,実際に社会に出てからもほかの企業の人とのやりとりは絶対にあると思うので,その練習の場というか.今は相手の方がこちらを学生として見て下さっているので,いろいろと親切に教えてくれている.この立場を使って社会に出るまでに力を蓄えるべきだなと思って,今研究をやっています.さっき話に出たとおり,社会に出るまでの練習の場っていう感じです.ミスしてもやさしく教えてもらえる.
(笑)
よく先生方が,「今は学生だから,知らないことはいっぱい今のうちにきくんだぞ」っていって下さいます.
司会:
外部の人と共同研究すると,すごく刺激にもなるし成長もするよね.研究以外の接し方とかね.研究する環境によってもだいぶかわるってことだね.
修士1年D:
みんな研究テーマはひとつですか.私の研究室は2つとか3つとかある人もいて,私も今3つかな.2つ終わりそうなんでみたいな感じで.ひとつの興味じゃなくて,ひとつの分野の中から何個かっていうのもできる.
司会:
工学部っていうのは,入って基礎を勉強して,最終的には専門性を持って,スペシャリストじゃないけどね,ある程度基礎知識を持って就職するためなわけよね.製造業とか,それに限らないんだけど.研究をやってて,それが直接就職先とマッチングするときもあるし,ほとんどはその就職先とは直にマッチングしないとは思うんだけど,研究やっててこれが役立つんだろうなって思うときはある?将来の自分の就職に役に立つような場面があるんだろうなって.
修士1年C:
自分で学ぶ方法が身につくっていうのはたぶんどんな分野でも役に立つと思います.あと,発表の仕方というのも先生が見て下さってて,ゼミのときも「こういうふうに言ったほうが伝わるよ」というのを教えて下さるので,発表の仕方はインターンに行ったときも,上手だねって評価していただきました.研究室にいるとプレゼンテーション能力も身につくんじゃないでしょうか.
司会:
今の話わかる?プレゼンテーション能力とか.今日研究室見学で修士の学生が説明したと思うけど,相手に伝えたい内容をわかりやすく説明できるという能力.
修士1年C:
相手に見合った説明というのを確実に.かみ砕いて話したり.
司会:
そうね.説明して相手から一言返ってきたときに,それを瞬時に判断して,その先の説明を変えていくという.
修士1年D:
新潟大学工学部では大学院に行ったら必ず一度は学会に行くというのが課されているので,プレゼンテーション能力は確実に高めることができると思う.大学院によっては,修士課程を修了するために必ずしも学会発表が必要ではないところもあるときいたので,そういうところでは研究室内でしか発表する機会がないかもしれない.それを考えると,学会でほかの非専門の人に説明できる機会が与えられているのは,良いと思う.
修士2年:
自分でプレゼンするのもそうだけど,外部の人の発表を聞くのも勉強になる.こういうふうにプレゼンするとわかりやすいんだなって気づくので,学会で発表するのも聴くのも良いと思いました.

Q6.今日のまとめとして,この座談会は有益でしたか.

司会:
じゃあ最後に,1年生に.今日参加してみてためになったことあるかな.
1年A:
今まで研究室のことは全くわからなかったし,勝手に大変そうだなっていうイメージを持ってたんですけど,今日いろいろ話を聞いて雰囲気とかもわかったし,研究だけじゃなく社会に出てからのことも学べたりすることなどが聞けてよかった.
司会:
特にどんなところが参考になったと思いますか.
1年A:
実験とシミュレーションをどっちもやっていることを初めて知った.
司会:
どっちもやってるってことに感動したってことだね.
(笑)
1年B:
研究室の選択については,研究室のことがまったく未知だったので,いろいろな話を聞けてとても参考になった.
司会:
機械システム工学科には何か目的があって入ったの?
1年B:
機械を作るのが好きなので.ロボットつくるみたいな.この学科でつくれるかどうかっていうのはわからないんですけど,ベイマックスみたいな機械をつくりたい.
1年C:
研究室ってすごく大変でブラックなイメージがあって……
(笑)
たぶん大変だとイメージしてたけど,意外と好きなものとか置いても良かったりして安心しました.イメージが少し良くなった.
司会:
2年生はどうだろう.
2年:


正直なところ,いろいろな話を聴いているうちに不安が募ってきて.自分でシミュレーションを書かなければいけないと聞いて,あのわけわかんない数式を使うんだろうなって考えてたらだんだん……不安になってきた.
司会:
今日は実はそこをききたかったんだよね.というのは,たぶん1年生・2年生が研究室に入って,研究テーマ見たら驚くと思うんだわ.とても自分はできないと.今の自分の実力や現状を考えると.で,そこを実際やってる人が,「いや,そんなに心配しなくていいよ.実はそんなに大変じゃないんだよ」と.数式は出てくるけど,それは研究テーマそれぞれに決まったパターンがあってね,ちょっと時間かければできるんだよっていう話をしてほしかったの,実は.
(笑)
司会:
どうなの,そこは.意外と大変なの?
修士2年:
あれは慣れれば特に何も考えなくてもできるようになりますし,あれはお金がないからあんな大変な方法をとっているだけで.(笑)もっと使い方が簡単なソフトも世の中には大量にあって,5月くらいに4年生は翼形のメッシュも組めるようになって,最初の使い方だけを私が理解できるところまで教えるから,その後の工夫は全部4年生にやってもらいます.こうしたほうがもっとよくなるというようなことは自分で考えてもらってやっていく感じ.だけど,そんなに大変ではないと.
2年:
職人さんみたいに「見て学べ!」みたいなのかと思ってた.
(笑)
修士2年:
そんなことない~!
2年:
よかった!
(笑)
司会:
そういう学部生の意見に対してどうですか.M2は大丈夫だよって言ったけど.
修士1年C:
今はプログラミングしなくてもMatlabなどのソフトがあるので,感覚的に制御プログラムを操作できるので便利になっている.最初に先輩が基本的なことを教えてくれるから使えるようになる.
2年:
よかったです.
修士1年D:
私はc++を使う機会があったけど,自分ではわかんなくてプログラムを諦めて,卒業生の人に結局作ってもらった.c++は結構大変です.今も一生懸命やってるんですけど,やっぱり学部生のときに基礎を固めて,それを研究に使えるといいんじゃないかなって思います.
司会:
みんなそこ反省するんだよね.
(笑)
修士2年:
私はBasicとか今時やっても意味ないと思ってたんですけど.でも,教える立場の人の気持ちとしては,Basicでプログラムするってどういうことなのかってやらないと,Cに入れないということのようです.それで,ここ最近むしろCの割合がだんだん減っていってる.私もソフトウェア工学を取っていないけど,Cくらいだったらプログラムをいじれると思う.プログラムを見れば,見て苦しめば大丈夫.
(笑)
M1・M2は4年生のことがわかるから.たった1年前の自分がそこにいるってことがわかるから助けてくれるし.
修士1年C:
装置の使い方は先輩に聞けるからいい.
修士2年:
わからないことを気軽に聞くことも大事なんじゃないかな.
司会:
最終的には,妄想がいろいろあるかもしれないけど,今こうやって並んでいる諸先輩方も同じ気持ちでやってきたから心配しなくていいということに落ち着いたので,1年生も心配しないで.特に今しかできない基礎勉強をちゃんとやると.できたらGPA(成績のこと)をちょっと上げれば研究室も選びやすくなるという.それが秘訣か.
司会:
今日は長時間ありがとうございました.
学生一同:
ありがとうございました.

Q1.今日の見学会の感想を教えて下さい.
Q2.研究の生活ってどうなんでしょうか.
Q3.修士の学生さんはどういうふうに研究室を決めたんですか.
Q4.研究の内容と就職は一致しないか.
Q5.研究って学部の授業の延長ですか?
Q6.今日のまとめとして,この座談会は有益でしたか.

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