活動報告

(12/21)学生対象データサイエンスシンポジウムを開催しました!

BDA研究センターでは毎年この時期に学生対象のデータサイエンスシンポジウムを開催しています。
今年は、「データ分析の先へ 意思決定と行動へ」をテーマに、データを活用した業務や研究の事例をご講演いただきました。
OMNライブラリーホール対面開催にて計112名の方にご参加いただきました。


 株式会社ウイングの樋山様からは、企業経営や事業コンサルティングの観点からDX事例や地域課題感をお話しいただきました。提案後にたらい回しされてもなお実現に向けて粘り強く取り組まれたエピソード、デジタル化の導入を渋られたエピソードなど、データ活用以前のプロジェクト提案の段階から経営者の意思決定や行動は始まっているというところから、第一歩目を踏み出すことの難しさを再認識しました。 講演の最後では学生にむけて、基礎だけでなくビジネスの課題解決、行動変容を促す力を身に着けてほしいとのコメントもいただきました。


新潟市観光政策課の平賀様からは、新潟市アクションプラン策定に至るまでの観光施策の企画検討においてデータ分析を行った事例をお話しいただきました。 既存調査の古さや客観性といった課題、データ分析後の目的から逆算したデータ設計、さらにそれらを外部に依頼するための要件定義といったプロセスを、自治体ならではの文化とも併せてご説明いただきました。分析後のアクションプラン策定の経緯は、講演では割愛されましたがHPに策定委員会議事録が公開されています。(新潟市観光アクションプラン
また、自組織ではデータ・技術とも不足している状況で、諦めるのではなく外部に依頼するという判断は、色々な意味でお役所の強みのようにも感じました。お話しにあった自治体に対するデータコンサル企業の営業文化からは、大学も学ぶことがあるのかもしれません。


 本学理学部の早坂先生からは、量子物理学分野についてご講演いただきました。肉眼では見えない量子の研究にはデータサイエンスの心得が欠かせないという例を挙げ、量子物理学に限らず現在あらゆる分野でデータ活用が必要とされていること、特に学生に向けてデータサイエンス入門科目を必修で学ぶことの重要性を強調されていました。観測値と推定値のズレは通常であれば誤差と解釈されるまでなのですが、講演ではその乖離の発生源となる未知の惑星や未知の物質の発見に用いた例が紹介され、研究ならではの分析結果の解釈を学びました。またトークセッションで様々な意見が対立したときはどうするか、といった質問に対し、研究はデータと理論だから意思決定では基本的に対立しない、でも手法で揉めることはある的なコメントがありました。

トークセッションの様子