主にして海水や生体などの損失媒質における電磁界応用システムに関する研究に取り組んでいます。

電波の海中利用に関する研究

  • 海洋は第二の宇宙といわれますが、電波を利用したアプリケーションは数えるほどです。海洋資源開発に資するため、いま海洋中での電波利用が期待されています。海洋電波実験はコストがかかるため、屋内実験を可能とする疑似スケールモデルを提案し、電波の海中利用の加速化に貢献します。
  • array on sea surface
    海中ダイバー位置推定
    pseudo_scale_model_measurement_system
    疑似スケール則モデル実験系

電波の生体影響評価法に関する研究

  • 比吸収率(SAR)は電波の生体影響指標として国際的に定められており、石井研究室ではSAR評価技術について2004年度より情報通信研究機構(NICT)と共同で研究を進めています。現在は、SAR評価を6GHzから10GHzまでの周波数に拡張するためのSAR測定用電界プローブの較正技術について検討を進めています。
probe calibration using robot arm
NICTと共同開発した
SARプローブ較正装置
gain_measurement_in_pure_water
5G/B5G用SARプローブ較正用
基準アンテナの利得測定系

RFIDタグを利用した人の運動解析

  • RFIDタグはID情報が埋め込まれたタグで、タグに関する情報は電波でやりとりできます。RFIDタグに弱い電波を照射し、タグにおける受信信号強度(RSSI)をモニタすることにより、人の運動を分類するのが最終的な目標です。現在、時系列解析などの手法を取り入れて、腕や足の上げ下げといった単純な運動の分類を試みています。
RSSI time series response
上肢・下肢回転運動に対するRFIDタグからの時系列応答例

小形アンテナ効率簡易測定法に関する研究

  • 小形アンテナのまわりを金属で隙間なくシールドすると、小型アンテナからの放射電力だけが抑制されます。このことに着目した小型アンテナの放射効率測定法はWheeler法として知られています。しかしながら、金属シールドに起因する放射効率の落ち込みがとびとびの周波数で起きることが知られており、現在、その落ち込みを有理関数あてはめにより回避する手法について検討を進めています。
Wheeler_method_principle
Wheeler法の原理
(金属キャップをかぶせると放射抑制)
estimated radiation efficiency after removing cavity resonances
キャビティ共振除去後の放射効率の例
(逆Fアンテナ)