研究の目的、概要、期待される効果
バイオディーゼル燃料とは、動植物油脂から作ることができる軽油代替燃料、再生可能エネルギーです。バイオマスから作ることができるので、カーボンニュートラルと言われています。廃油脂や非食油脂から生産すれば廃棄物や未利用資源の活用になります。主成分は脂肪酸メチルエステルですが、その組成比によっては0℃以上でも流動しなくなりロウ状に固化してしまうので、軽油に混合して使用することが一般的です。日本で一般に冬季に販売される軽油(2号)は-7.5℃まで流動することが求められるため、バイオディーゼル燃料を上手に使い、新潟県のような寒冷地にまで広く普及させるためには、融点の高い成分をできるだけ簡単に分離除去する必要があります。
当研究室では、冷却により分離しやすい形に固体を析出させる方法を中心に検討しています。この方法の利点は「添加する」「冷却する」という簡単な方法であること、高温に燃料をさらすことがないので安全であり酸化などによる劣化を抑制できること、専門的知識や技術がなくても操作できる上に小規模装置で運転できるのでエネルギーの地産地消につながることが挙げられます。
この方法の構築と性能向上に向けて、基礎研究から装置開発まで、幅広く研究を行っています。


アピールポイント
コメ油などほかの実油由来バイオディーゼル燃料についても適用可能性を示しています。分離性能を高めるため繰返し方法や他の方法とのハイブリッド法などをさらに研究しています。
つながりたい分野(産業界、自治体等)
・バイオディーゼル燃料利用の研究に興味がある企業や団体など
・燃料燃焼試験等ができる企業や団体など
・分離技術を相談したい企業や団体など