研究の目的、概要、期待される効果
工場で起きる多くの重大事故(死亡災害・火災・爆発)は、個人のミスが主たる原因ではありません。長い期間をかけて組織が誤った判断及び些細な誤解を少しずつ積み重ね、その結果として不具合が顕在化したときに重大な問題が発生します。本手法では、網羅的な視点である「安全文化の8軸モデル」に基づき、「組織の劣化を早期に検知し、早い段階で対策を打つことを促す方法について研究しています。
本研究では網羅的な視点に基づいて作成されたアンケートを使用し、組織の現状について診断を行います。それぞれの事業所の回答結果を、約100事業所・約10,000人規模の業界標準得点などとベンチマークすることにより、当該事業所の強み・弱みを可視化することができます。大手製造業を中心に、国内外延べ200事業所以上(回答数60,000人以上)が活用しています。
また、部署別・世代別などの分析を通じて、自社・自事業所で支援が必要となる区分を絞り込み、組織の改善を効果的に進める第一歩として活用します。
○想定される実施例、応用例
・工場の安全活動の活性化、経営の改善
・組織診断結果に基づく改善活動の立案


アピールポイント
多面的な切り口で従業員の意識が可視化できます。数年おきに行うことで、経年での従業員意識の変化(特に思わぬ悪化)を検出することも可能です。
つながりたい分野(産業界、自治体等)
大規模な製造装置を組織的に運用する、数百人~数千人規模の事業所を持つ企業。