研究の目的、概要、期待される効果
近年、地球上では環境・エネルギー問題が深刻化しており、環境保全とともに資源の確保や安定供給が重要な課題となっています。このような課題を解決する手段の一つとして、環境負荷の少ない機能性材料を開発して、吸着法によって重金属を除去・回収する方法があります。そこで、本研究室では、バイオマスやハイドロタルサイト等を用いた吸着剤を作成し、吸着および脱着モデル実験を行い、吸着メカニズムの解明や性能評価、実用化に向けた技術開発を行っています。
バイオマスとして、海藻および海藻由来のアルギン酸、アルギン酸ゲル、貝殻およびキチン・キトサン、木炭、植物などの他、モンゴル化学技術大学の共同研究により羊毛をベースとした吸着剤を作成し金属の除去・回収の研究を行っています。
ハイドロタルサイト(LDHs)は、陰イオン交換機能を有する層状複水酸化物で、天然にはあまり産出されないものの、比較的容易に合成できます。原料物質である金属イオン種やモル比などを変化させて、種々のハイドロタルサイトの合成を行い、リンやヒ素の除去・回収の研究を行っています。また、層間にキレート剤を挿入して重金属の除去・回収も検討しています。


アピールポイント
吸着物質の性能評価を行うにあたり、種々の分析装置 (ICP-AES, XRD, SEM, FT-IR等)を扱っており、分析相談が可能です。上記の研究に限らず分析化学に関する情報提供も可能です。
つながりたい分野(産業界、自治体等)
・環境浄化、資源回収、リサイクルなどを行う企業、自治体