つながる研究工学部版

ナノテクノロジー・材料 マイクロマシン工学研究室
専門分野 センサ・マイクロマシン
自然科学系 准教授
寒川 雅之
SOHGAWA Masayuki
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マイクロカンチレバー構造を用いたメカニカルセンシング~ 触覚センサ・タンパク質バイオセンサ ~

キーワードMEMS、表面マイクロマシニング、マイクロカンチレバー、触覚センサ、バイオセンサ

研究の目的、概要、期待される効果

 様々なセンサに応用が期待できる微小構造(マイクロカンチレバー)の作製を、MEMS技術を用いて行っています。マイクロカンチレバーは一端が固定された構造で、力の印加や物質の堆積によりたわみが生じます。このたわみ変化を、その上に一体形成したひずみゲージ抵抗変化や圧電効果により電気的に検知します。大きさは0.1mm~1mm程度が可能です。
 このような構造は一般的に基板を貫通加工して作製しますが、私たちは表面のみの加工(表面マイクロマシニング)で行っており、より作製プロセスが簡便で低コストです。また、表面の絶縁コーティングや機能性物質の付加を行ったり、樹脂で構造を封止したりすることができ、さまざまな用途に対応できます。
 応用例として、マイクロカンチレバーを樹脂で封止したマイクロ触覚センサチップ(別頁参照)や、マイクロカンチレバーの上に、細胞膜と同様の人工の脂質膜(リポソーム)を固定化したバイオセンサチップの研究を行っています。このバイオセンサでは、一般的な顕微鏡を用いたタンパク質検出手法と異なり、蛍光標識や光学系が不要で、簡便化・小型化・低コスト化が期待できます。

図1  マイクロカンチレバーの電子顕微鏡写真例
図2 タンパク質検知用バイオセンサへの応用

関連する知的財産
論文 等

T. Taniguchi, M. Sohgawa, M. Noda et al.: Biotechnol. Bioeng. , Vol.117, No.8, pp.2469-2478 (2020).
M. Sohgawa, D. Hirashima, H. Noma et al.: Sensors and Actuators A, Vol.186, pp.32-37 (2012).
高橋、寒川他: 電気学会論文誌E, Vol.139, No.11, pp.375-380 (2019)

アピールポイント

 マイクロカンチレバーのサイズや形状、数、配置などの設計は用途に応じて様々に対応可能です。作製は研究室の設備で可能ですので、安価に研究開発を行うことができます。

つながりたい分野(産業界、自治体等)

 微小な荷重・変位の計測や、機能性物質の付加による化学的・生物学的な検知が可能ですので、製造分野から医療分野まで幅広く協働を期待します。

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