研究の目的、概要、期待される効果
長期間屋外に設置される太陽電池モジュールには様々な要因で汚れが発生します。このことはソイリングと呼ばれ、太陽電池セルへの光入射量が低下することから、発電量の低下に繋がります。ソイリングの解決には、太陽電池モジュールのカバーガラスに防汚コートを施すことが有効と期待されています。防汚コートには、反射防止により太陽電池の発電性能を上げる効果もあります。
本研究では、屋外サイトでの実証試験および屋内での加速試験と降砂模擬試験により、防汚コートの有効性と信頼性を検証しています。屋外実証試験は鹿児島県工業技術センターに設置したモジュールで実施しており、降灰によるソイリングの影響も検証することができます。屋内加速試験では水および各種有機溶媒の接触角ならびにHansen溶解度パラメータを用いて防汚性能の信頼性を評価しています。約1年半にわたる屋外サイトでの発電量評価の結果、防汚コートの有効性を明確化できました。さらに、防汚コートは降雪時の滑雪にも効果がある可能性が示唆されました。
本研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託により、鹿児島大学、鹿児島県工業技術センター、中央自動車工業株式会社と共同で実施しています。

アピールポイント
屋外での長期使用により太陽電池の性能変化が生じる原因を、材料科学的観点から究明する研究に10年以上携わっていますので、様々な知見を持ち合わせています。
つながりたい分野(産業界、自治体等)
太陽電池メーカー、電機メーカー、化学メーカー、材料・素材メーカー、半導体製造装置メーカー等