研究の目的、概要、期待される効果
太陽電池モジュールは導入から20~30年後には廃棄され、環境省の試算によれば、寿命を25年とした場合には2039年に排出量が77万トンに達すると想定されます。この値は2012年度の産業廃棄物最終処分量の6%をも占めます。このように、太陽電池モジュールの大量廃棄時代の到来を前に、リサイクル性に優れる太陽電池モジュールを開発することは喫緊の課題です。
太陽電池モジュールに用いられる封止材は、太陽電池セルを外界からの衝撃等から保護する役割がある一方、紫外光や水蒸気等との反応による酸発生に起因する電極の腐食をもたらすなど、劣化要因となっています。また、セルをはじめとするモジュール材料を強固に溶着することで太陽電池モジュールのリサイクル性を著しく妨げています。
本研究では、封止材を用いないことで長寿命かつリサイクル性に優れる新概念の太陽電池モジュールを開発するともに、加速試験を通じて本モジュールの実用化可能性を検証しています。
本研究は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託により、北陸先端科学技術大学院大学、青山学院大学、岐阜大学との共同研究により実施し(2021年度)、京セラ株式会社にも協力頂いています。

アピールポイント
屋外での長期使用により太陽電池の性能変化が生じる原因を、材料科学的観点から究明する研究に10年以上携わっていますので、様々な知見を持ち合わせています。
つながりたい分野(産業界、自治体等)
太陽電池メーカー、電機メーカー、化学メーカー、材料・素材メーカー、半導体製造装置メーカー等