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メタマテリアルによる自由自在な光エネルギー制御

本研究室では,自然界には存在しない新しい人工材料であるメタマテリアルに着目しています。これは,ナノスケールの構造体によって光エネルギーを自由自在に操ることができる材料です。特に,近赤外光域の光エネルギーを波長選択的に取り出し,半導体で電力を産み出す熱光起電力発電への応用について研究しており,これは発電プラントや製鉄所における膨大な排熱を回収できます。また,中赤外光域の光エネルギーを大気の窓領域に集中させ,宇宙へ放熱する放射冷却デバイスへの応用についても研究を進め,未来の省エネルギー社会の実現に貢献します。

人工知能(AI)による超高性能メタマテリアルの創出

メタマテリアルに関するこれまでの研究では,経験的に構造を選択して、それを評価するアプローチが多くとられており、経験に頼らずに最適な設計をすることは困難でした。 そこで本研究室では、人工知能の中でも特に機械学習に着目し,メタマテリアル構造の設計手法を確立することを目指しています。機械学習は,材料や構造の膨大な選択肢の中から高い最適化効率で構造を決定できる手法で,従来よりも高い性能を持つメタマテリアルが創出できる可能性を秘めています。本研究は,東京大学,NIMS, 理研との共同研究によって進められています。(図:ACS Central Science Cover Art in Feb. 2019)

メタマテリアルが拓く未来の宇宙機熱制御

宇宙機は,太陽光エネルギーを受ける表面と影となる裏面で,大きな温度差がついてしまい,搭載されている光学センサー等の機器が故障してしまいます。この問題を回避するため,現代の宇宙機には必ず温度を適正に保つ熱制御デバイスが搭載されています。宇宙機熱制御は主に,光エネルギーの反射や吸収を機能的に制御することで行いますが,その性能は現在でも十分とは言えません。そこでメタマテリアルを用いることで,従来の性能を大幅に上回る宇宙機の熱制御が可能となります。本研究はJAXA宇宙科学研究所との共同研究によって行われています。(図:はやぶさ2 JAXA提供)

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