Research

ここでは、岡研究室での<研究対象>と<目指すところ>を簡単に紹介します。
研究室選びの参考にして下さい。

本研究室では、学部学生・大学院修士の学生には、基本的には教員が選ぶ研究課題に取り組んでもらいます。
大学院博士課程進学を希望する学生は、下記の研究対象と共通項がありさえすれば、自身で研究課題を設定して構いません。
過去の研究課題に興味がある方はこちらを。

< 研究対象 >

本研究室が研究対象とするのは、
  • 光によって誘起される化学反応(量子制御・coherent制御)
  • 半導体微小共振器による光増強効果(共振器QED)
  • 金属ナノ構造の表面プラズモンを用いた光増強効果(量子plasmonics)
  • 量子コヒーレンスと量子もつれに代表される量子効果(量子光学)
更に上記の効果を利用した生体・生物系への応用
  • ナノ物質間の光励起エネルギー移動(光合成系)
  • 量子ナノ構造を用いた人工neuronの研究(量子neuromorphic)
  • 光が絡む生体・生物系における量子効果全般
など、光が誘起する物理・化学・生物現象の理論解明生命・生体機能の工学応用です。
とりわけ量子効果に重きをおいて、物理学を基軸とした生体・生物系への応用研究を展開して行きます。

< 目指すところ >

本研究室のめざす所は、ざっくり言うと、
  • 光で化学反応を制御したい
  • 光が関わる生命機能を理解・制御・デバイス化したい
  • 量子効果が生命現象に本当に寄与するのか明らかにしたい
であり、生命機能の背後にある物理を、デバイス化・制御化に必要なレベルまで理論的に解明することです。また量子効果が生命機能に寄与する生命体はどのようになるか(量子生命体?)も興味があります。このような理由から、現象の理解・解明に重きを置く理学的な理論研究とはやや異なります。

  現在はこれらを究極の目標として(まだ遙か遠くに眺めながら)、この目標に必要な解析ツール:誰でも手軽に解析できる新しい数値シミュレーション法の開発を行っています。特に、
  1. 分子量子状態ダイナミクス解析のためのFDTD法(FDTD-MD法)の開発
  2. 光吸収・放出を組み込んだFDTD法(FDTD-Blochシミュレータ)の開発
  3. テラヘルツパルスによる分子振動シミュレーション法の開発
  4. 時空間光子パルスダイナミクス法(全量子論による光と物質の相互作用)
についての研究を進めています。FDTD法は電磁波解析に用いられる良く知られた数値解析法ですが、これを光と物質の相互作用や量子波束ダイナミクスを計算できる解析ツールへと発展させています。
現在の対象はコヒーレント制御と光合成系が中心ですが、神経回路・人工ニューロンなどの研究へとシフトさせて行きます。

以下は、これまでの岡研究室での研究課題(修士・学部)のリストです:
=== 過去の研究課題(大学院) ===
2018年度(修士論文)
「イジング模型量子アニーリング計算における非断熱条件下のエラー評価とデコヒーレンスの影響に関する研究」
「微小共振器楕円歪みによる固有モード変調と光学禁制準位励起への応用に関する研究」
2017年度(修士論文)
「FDTD-Q法による光励起分子振動ダイナミクスの解析:光異性化反応制御と多光子吸収への応用」
「FDTD-Q法による確率的Schrödinger方程式と分子緩和過程への応用」
2016年度(修士論文)
「光周波数コムによる分子振電状態制御のFDTD-Q解析」
「PIC-FDTD解析を用いた微小共振器によるSmith-Purcell誘導放射の増強と閾値電流変化の検証」
「FDTD-Maxwell-Blochシミュレーターの開発とプラズモン光応答解析への応用」
2015年度(修士論文)
「二重同心円状に配列された異種金属ナノ微粒子間におけるエネルギー移動のFDTD解析」
「Pump-dump過程における分子振電状態ダイナミクスの光パルス制御のFDTD-Q解析」
=== 過去の研究課題(学部) ===
2018年度(卒業論文)
「一様外場誘起によるナノクラスター形状変化ダイナミクスの分子動力学シミュレーション」
「FDTD法によるLaguerre-Gaussianビームの空間伝搬特性解析」
「光合成集光アンテナにおける光励起エネルギー移動の全量子論的解析:エネルギー移動選択則と拡張FRET理論」
「金属ナノロッドによる近赤外局在表面プラズモン共鳴励起のFDTD解析」
2017年度(卒業論文)
「単一クーパー対箱-微小共振器強結合におけるラビ振動の理論解析」
「非一様力場における分子クラスター形成の分子動力学シミュレーション」
「多層膜分布ブラッグ反射共振器-ナノ構造系による光電場増強のFDTD解析」
「高強度THzパルスによる分子振動励起のFDTD-Q解析」
「Maxwell-Blochシミュレーションによるナノ粒子間光励起移動の解析」
2016年度(卒業論文)
「FDTD-Q法による単一超伝導量子回路におけるRabi振動の解析」
「テラヘルツ電磁パルスによる分子振動励起のFDTD-Q解析」
「マイクロディスク共振器固有モードの微小歪みによる共鳴波長変化の理論解析」
「PIC-FDTD法による誘導スミス・パーセル放射の電流閾値解析」
2015年度(卒業論文)
「Pump-dump法による光異性化反応過程のFDTD-Q解析」
「エシェル型回折格子によるSmith-Purcell放射のPIC-FDTD解析」
「FDTD-Q法による分子振動緩和ダイナミクスの数値解析」
「光共振器-ナノアンテナ系による局在光電場増強のFDTD解析」
2014年度(卒業論文)
「光周波数コムによる分子振動波束励起のFDTD-Q解析」
「PIC-FDTD法によるTHz帯スミス・パーセル放射の数値解析」
「伝搬型・局在型表面プラズモン相互作用による電場増強のFDTD解析」
「格子構造近傍における局所偏光場の空間プロファイルのFDTD解析」
2013年度(卒業論文)
「FDTD法によるプラズモンナノアンテナの局在モード解析」
「シュレーディンガー方程式による分子振動波束の数値解析」
「半導体薄膜中励起子の非線形光学応答の解析」

岡個人の研究に関してはこちら

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