ダイポール層による脳機能イメージング
堀 潤一(新潟大学工学部),Bin He (University of Illinois at Chicago, USA)
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非侵襲的に脳の空間的な電気活動を把握することができる脳機能イメージングは,脳疾病部位の特定,脳内情報処理機構の推定,および情緒活動の解明などを実現する方法として注目をあびている.
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ところが,脳波の時間分解能は臨床応用上十分満足しているのに対し,空間分解能は電極数が制限されることや頭蓋骨などの電導特性が低いことが影響し,頭皮電位そのものから信号源を推定するには不十分であった.
- この問題を解決するため,空間フィルタを用いて分解能を改善する種々の方法が提案されてきた.
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特に、脳機能ダイポールイメージング法は,脳内に仮想的に設置した等価ダイポール層によって信号源を表現し,信号源の個数,方向などの性質に依存せずに逆問題を解くことができるという利点がある.
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本研究では,ダイポールイメージングによる脳機能逆問題に,雑音の統計的情報を取り入れることにより,頭皮上で非侵襲的に計測された多チャンネル脳波電位から高精度に脳内活動電位分布を推定し,空間分解能を上げることを目的とする.
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