7.災害事例
1)ED−20型旋盤で中ぐり作業中、穴の奥の端面を外周から中心方向に向かって横送り加工を行っていた。ところが中心部付近でバイトがいきつき旋盤の横送り装置を壊してしまった。(この10年間に2回)
原因 作業者が最初に横送りのストロ−クを良く確認していなかったため横送り装置が行き着いてしまった。
対策 刃物台にバイトをセットした後、必ず手送りで縦、横のストロ−クを確認してから作業すること。
2)旋盤作業で非鉄金属(銅、アルミニウムなど)を突切作業中バイトを破損してしまった。
原因 主軸の回転数が早すぎたことと、手送りのスピ−ドが速すぎたために破損してしまった。
対策 主軸の回転数は低速(MAX100rpm位)を使用し、手送りのスピ−ドもゆっくりと送ること。
3)旋盤作業で高速回転で超硬バイトを使用して鋼材を切削中、飛んできた小さい切粉で目に怪我をしてしまった。
原因 高速回転で超硬バイトを使用しているにもかかわらず保護眼鏡を着用していなかったため負傷してしまった。
対策 超硬バイトには切粉を細かく切断するためにチップブレ−カ−が付いている。高速回転で使用するとそれだけ小さい切粉が飛び易くなるので保護眼鏡を着用するか低速で作業すること。
4)旋盤のチャックにチャックハンドルを取り付けたまま主軸を回転させてしまい、ハンドルが飛んで人の肩に当たってしまった。
原因 加工物をチャッキングした後、別の行程の作業を行いチャックにハンドルを差しているのを忘れてそのまま主軸を回転させてしまった。
対策 不必要の時はチャックからハンドルを外しておくこと。特に周囲に人がいる時は注意すること。

5)直立ボ−ル盤で軍手を着用して作業中に切粉を取ろうとして機械に巻き込まれてしまった。
原因 切粉を除去するのにカギ棒を使用しないで手で取ろうとしたために巻き込まれてしまった。
対策 手袋は使用禁止、また、旋盤、フライス盤、ボ−ル盤、グラインダ−etcの主軸部分を触る時は必ず、回転を停止させてから作業すること。
6)卓上ボ−ル盤で薄板を手で押さえて穴あけ加工を行っていたところ薄板が振り回され怪我をしてしまった。
原因 薄板を固定するのに、ボルトと押え板を使用しないで押さえていたため、切削抵抗で板が振り回されてしまった。
対策 穴あけ加工ではドリルが突き抜けるときに大きな切削抵抗がかかるので加工物の固定には、万力及び押え板等を使用してしっかりと固定してから作業を行うこと。
7)NCフライス盤で最終加工作業でリ−マ加工を行っていたところ送り速度が早送りのままだったことに気づかず、最後の加工と思い安心したためそのままボタンを押してしまった。早送りでリ−マ加工できるわけはなく、リ−マが中央部から破断して、破片が約3M程はなれたスチ−ル製の棚のガラスを割ってしまった。もしリ−マの飛ぶ方向が悪ければ重大事故になるところであった。
原因 リ−マ加工は最低回転で送りスピ−ドをゆっくり送るところを早送りで送ってしまったためにリ−マが加工物にいきよいよくぶつかってしまいリ−マを破損してしまった。
対策 NC工作機械を使用するときはボタン操作には特に注意して作業をすること。
8)2階から万力を無理して1人で降ろそうとしたが重すぎたため手が滑り下まで落としてしまった。偶然に下には人がいなかったから良かったがもしいたら、重大事故になるところであった。
原因 安易な気持ちから万全の対策を考慮しないで一人で無理をして降ろしたため。
対策 重いものを2階から降ろすような場合には、1人で無理をして降ろさず2人で降ろすか、工場係員に申し出て天井走行クレ−ンなどを使用して降ろすこと。

9)両頭グラインダ−で突切バイトを研磨作業中、バイトの支持台と砥石の隙間が大きく開いていたのに無視して研磨作業をしたため、バイトがカバ−の内側に巻き込まれてしまった。
原因 砥石とエンドレスの隙間が開いていたにもかかわらず突切バイトのような薄物を研磨したため。
対策 砥石が平らになっている場合、及び砥石とエンドレスの隙間が大きく開いている場合には工場係員に申し出てなおしてもらった後、作業を行うこと。