2010年度
第2回生体材料・医用デバイス研究開発コアセンター研究会

日時:平成22年8月24日(火)
場所:新潟大学  ベンチャービジネスラボラトリー 大会議室

  

1.講演会

(1)15:30-16:15
 講演「MEMS製造を支えるDeep RIE技術の紹介とバイオ医療分野への応用」
    新潟大学 自然科学系 材料生産システム系列 教授 安部隆 先生

講演概要:
  本講演では,本研究室で開発された圧電材料やガラスを対象とした最先端のDeep RIE技術とその技術を用いたセンサ・デバイスの試作例を紹介します.試作例の紹介を通じて本加工技術の登場でなにができるようになったかを明示いたします.さらに,バイオ医療分野との関連が深いブロッキング剤の評価や免疫反応の測定などのナノ界面における相互作用評価への利用例や潜在的な応用例についても紹介する予定です.

安部 隆
最先端のDeep RIE技術を解説する安部先生

 

(2)16:15-17:00
 講演「制御理論の生体運動解析への応用」
    新潟大学 自然科学系 材料生産システム系列 准教授 平元和彦 先生

講演概要:
 制御理論とその周辺の最適化手法の生体運動の動力学的解析への応用として,以下の2つのトピックを紹介する.
1. 座位バランス保持機構の解明:転倒は,特に高齢者にとって大きな問題であり,バランス保持機構解明は重要である.逆動力学を基礎におく生体運動解析問題の構造から,バランス保持を行うフィードバック機構と,解析時には従来固定されていたBSP(Bodysegment parameter)の一部が同時に推定可能であることを示す.
2. 筋力推定問題:運動時に関連する筋が発生する筋張力の推定は,動的な関節間力の計算等のため重要である.ここでは,一般的な筋力推定問題が,制御系設計・解析で多く用いられるLMI(線形行列不等式)最適化問題に帰着されることを示し,その有用性を紹介する.

坂本秀一
医工連携のための制御理論利用法を説明する平元先生