協創経営
プログラム

産業人材の育成・工学分野の融合による新しい価値の創造

高度化・複雑化する技術開発と社会の要求の多様化に応えるため、社会科学的視点をも取り入れた産業界と密接に関連する研究課題を設定しています。さらには、既存工学分野の融合により、新しい学理を構築し、卓越した学術研究を先導するとともに、先端的技術開発を牽引する人材を育成します。

プログラムの特色

エネルギー・環境・気候変動・食糧・貧困・ダイバーシティ推進等、国境の壁を越えて国際社会が共通に取り組むべき数多くの課題は、社会科学と工学の貢献なくして解決することはできません。社会は国際化・多様化が進み、必要とされる技術も高度化・複雑化が進んでいます。これらの技術を使いこなすには、工学的知識のみならず社会科学的知識を、車の両輪のようにバランス良く習得することが重要になります。本プログラムでは、この目的を達成するため、社会科学的視点を涵養できるカリキュラムを充実させています。
さらには、既存工学分野の融合により新しい価値を創出することも、これらの課題解決に必須であると考え、幹となる特定工学分野の学修に加え、周辺分野を積極的に学修可能な体制を構築しています。川上側の分野においては、例えば、半導体工学・高分子化学・金属工学等の融合による材料科学分野での新規テーマ創出を想定しています。また、川下側の分野においては、通信工学・機械工学・情報工学・データ科学等の融合によるシステム工学分野での新規テーマ創出を想定しています。

教育プログラム

工学部の学生に対して社会科学的視点を涵養する授業科目を独自に開講するとともに、産業界に貢献できる人材育成を目的に、産業界との連携を前提とした実習科目も充実しています。
パッケージ科目の履修により、ある主専攻プログラムで必要となる知識を体系的・網羅的に学修するとともに、それ以外の主専攻プログラムの科目も履修することにより、工学分野の知識を幅広く習得することができます。
研究成果を発信するための論文執筆・口頭発表等における科学技術表現や、研究成果を実用化するために必要な知的財産や起業に関する授業も充実しています。
これらの科目を履修することにより、真理の探究のみならず新しい学術領域を構築可能な研究者、先端技術開発により人類の多様な課題に貢献できる技術者を育成します。

授業紹介

協創経営プログラムでは、産業界に貢献できる人材育成を通じた研究成果の社会実装の加速を念頭に、産業界との連携を前提とした授業科目が充実しています。そのためには、工学のみならず経営学を含む社会科学的視点も重要であり、経営管理論、マーケティング論、リーダーシップ論等に関する授業科目を独自に開講しています。一方で、工学的知識を基礎から応用まで着実に身に付けるためのパッケージ科目は、協創経営プログラムの最も特徴的な授業となっています。パッケージ科目は通称であり、正式には工学部規程別表第3に定める協創経営プログラムの選択必修科目と呼びます。パッケージ科目は、人間支援感性科学プログラムを除く、工学部の7つの主専攻プログラムから提供を受ける授業科目群で構成されています。協創経営プログラムの学生は2年次以降、7つの主専攻プログラムから提供を受けるパッケージ科目群の中から1つを選び履修することになります。これらの科目群には、各主専攻プログラムの基礎科目や応用科目等の座学による履修科目のみならず、実験や演習も数多く含まれており、各主専攻プログラムで必要となる知識を体系的かつ網羅的に学習することができます。一方、選択したパッケージ科目に加えて、それ以外の主専攻プログラムの授業も選択することにより、幅広く工学分野の科目を履修することができます。先端技術は益々高度化・複雑化する一方、技術や工学に対する社会の要求は多様化しており、特定工学分野の学修に留まらず、分野の垣根を超えた知識を育むことが一層重要となっています。本プログラムでは、学生自らの意志と興味に基づき、既存工学分野の融合の素地を涵養できる点に特徴があります。パッケージ科目の履修や工学分野の幅広い学修のため、本プログラムを希望する学生には、数学・物理・化学に対する偏りのない基礎 知識が求められます。

太陽電池に関する実験風景
太陽電池に関する実験風景
アントレプレナーシップII

アントレプレナーシップIIでは、ビジネスアイディアの生み出し方、具体的なプランの作成法を学びます。大学、行政、銀行、起業家、ベンチャーキャピタル等の連携により、起業拠点や企業の見学、起業家の体験談の聴講、ワークショップも経験し、実社会のことを学べるのも魅力です。
データをもとに起業プランを作成し、最終的には連携機関の人たちにプレゼンテーションを行い、講評を頂く貴重な経験も得られます。

プログラムの
先端研究

太陽電池の信頼性向上に関する研究

仙波 妙子特任助教

太陽光発電は代表的な再生可能エネルギーであり、地球温暖化抑止の切り札として、普及拡大が世界的に進展しています。しかし、全世界の発電量に占める太陽光発電の割合は3%に満たず(2018年末のデータ)、太陽光発電が基幹的なエネルギー源となるには、光電変換効率の向上、製造コストの削減に加え、信頼性向上に基づく長寿命化に関する研究開発が欠かせません。
本研究では、太陽光発電の根幹をなす半導体デバイスである太陽電池の劣化メカニズムを明らかにすることにより、材料科学的視点から信頼性を向上させる指針を提示することを目標にしています。現在、世界で最も普及している太陽電池は結晶シリコンを原材料にしていますが、多くの場合、発電層である半導体そのものはほとんど劣化しないことが明らかになっています。一方、太陽電池の劣化はキャリアを収集するための電極の腐食が原因であることが突き止められました。太陽電池を屋外に長期曝露すると、紫外光や水分浸入が原因で、太陽電池モジュールの封止材として使用されている高分子材料から酸が生成し、発生した酸が電極と半導体界面に存在するガラス層を侵食することで腐食が生じます。加速試験で劣化させた太陽電池モジュールに対して微視的・化学的分析を実施することで腐食現象やメカニズムを明らかにしてきました。本研究は太陽光発電の分野で世界的にも高い評価を得ています。本研究には、電子工学、材料科学、高分子化学等の広範な知識が必要となり、本プログラムで提唱する既存工学分野の融合に基づく新しい学問領域の開拓にまさに合致するものです。

太陽電池の外観
(a) 腐食前の電極
(b) 腐食後の電極
(c) 腐食前後での電極の組成の変化
出典: T. Semba, Jpn. J. Appl. Phys., Vol. 59, No. 5, pp. 054001-1-9 (2020). c 2020 The Japan Society of Applied Physics

近年、日本政府は観光立国を掲げるようになり、新潟県の重要課題にも交流人口の拡大が示されました。世界的にも「場所そのもの」のブランド化、すなわちプレイス・ブランディングに焦点が当たっています。私たちは他の研究機関、企業、自治体などと共同研究を行い、テキスト・マイニングによるプレイス・ブランド認識分析や、フィールドワークに基づいた定性分析、地域の人々とのワークショップ等により、プレイス・ブランディングの内実について研究しています。学生の皆さんも地域の人々や企業、自治体との協働プロジェクトを通じて、課題発見力、企画立案力、コミュニケーション力を高めています。

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