協創経営
プログラム

産業人材の育成・工学分野の融合による新しい価値の創造

高度化・複雑化する技術開発と社会の要求の多様化に応えるため、社会科学的視点をも取り入れた産業界と密接に関連する研究課題を設定しています。さらには、既存工学分野の融合により、新しい学理を構築し、卓越した学術研究を先導するとともに、先端的技術開発を牽引する人材を育成します。

プログラムの特色

 1年次では工学部学生として工学全体を俯瞰し,専門を学ぶことに対する目的意識を確立するために、主に工学科と融合領域分野の共通導入科目を順次修得します。
 2年次では産業・地域実習で得た経験を専門系科目履修で得た知識により裏付け、反省、改善、発展することで、実践力、知識の確実な修得を図ります。
 このような学習サイクルを通して、産業や社会に潜む多様な問題の発見とその解決を可能とするために、2 年次以降では数学・物理・化学の基礎を修得するのみならず、各自の問題意識に基づいたパッケージ科目を履修し、高度化・複雑化する先端技術に対応可能な幅広い工学的知識を修得します。加えて経営系の基礎科目を習得します。
 卒業年次には産業界をはじめとする外部機関と連携するなどして卒業研修・卒業研究を実施し、それまでに培ってきた基礎知識を応用し、他者と連携しながら多様な課題に対する解決策を見出すことで、解決に導く能力を修得します。

教育プログラム

 これからの社会が直面する問題を解決するためには、多様な能力を持った人たちをチームとしてまとめ、リーダーとなれる人材が必須です。本プログラムでは、自然科学系から人文・社会科学系にいたるあらゆる知識を駆使し、社会で起きている多様で複雑な現象から具体的に問題を発見し、実行すべき課題を抽出し解決まで導くことを通じて、国際的に活躍できる人材を育成します。そのために、以下のような人材力の修得を目指します。

  • 工学的側面から様々な技術を統合し解決策を見出すことのできる人材力
  • 構想(プロデュース)力やマネジメント力、リーダーシップをもつ人材力
  • 社会科学的視座から世界に通用する地域産業の発展に貢献できる人材力
本プログラム所属教員(医用システム)分野が開発した深部静脈血栓症予防装置

授業紹介

 本プログラムのカリキュラムでは産業界等との連携による実践学習、座学による知識の修得、ディベートやディスカッションによる双方向対話型学習を、同時かつ交互に繰り返します。それによって年次進行に伴うレベルアップを図り、確実に力を身につけられるような履修の流れとなっています。

  • アクティブラーニングとPBL(課題解決型学習) を中心とした実践的教育
  • 卒業研修・卒業研究は産業界等が有する課題解決を目的としたテーマ設定
  • 科学技術表現法やマーケティングなどのコミュニケーションや経営関連の科目も配置し、工学と経営学を融合した科目構成を実現
  • パッケージ科目(先端融合材料,先進未来システム,次世代社会文化環境システムデザイン,エネルギー・環境)を選択し履修することにより、高度化・複雑化する先端技術に対応可能な幅広い工学的知識を習得

産業・地域実習基礎

 産業・地域実習基礎では、社会における企業等組織の経済的活動の実際を経験的かつ論理的に学びます。新潟県燕市域の産業を軸に、企業等組織において現在起きている課題とそれに対する施策の事例を学ぶことで、国内の地域産業についての理解を深め、地域産業における実状と課題解決のプロセスについて理解することができます。

プログラムの
先端研究

リレーションシップ・デザインの探究

長尾 雅信准教授

 経済やテクノロジーの発展は人間の生活を豊かにする一方で,自然環境や社会に負荷を与え,その存続を危うくする側面も有しています。自然や社会の持続可能性を高めていくために,人や組織は自分たちを取り巻く環境(自然,地域社会など)とどのように付き合っていけばよいのか。私たちの研究グループでは,異分野の研究者や企業,自治体,市民組織等と協働しながら,リレーションシップ・デザイン(関係性のあり方)の探究に取り組んでいます。具体的な研究テーマとしては,プレイス・ブランディング(地域のブランド化),CSV(Creating Shared Value:企業の経済的価値と社会的価値の両立)を取り扱っています。
 プレイス・ブランディングでは,観光客等の来訪者や移住者を地域に誘引し,経済的な発展を目指すと同時に,居住者による地元愛の醸成を通じて地域コミュニティの活性化を図ることが目指されています。また,世界的に異常気象が頻発し,日本においても自然災害が多発する中で,プレイス・ブランディングは地域の防災力にも結び付いています。地域やその自然,歴史文化,ライフスタイル等をどう捉え,意味を見い出しているのか。本研究グループでは,アンケートやSNSのソーシャルリスニングによって集めた言語・画像データの解析,フィールドワークやインタビュー調査に基づいた質的分析,企業や地域の人々とのワークショップ等を組み合わせながら,その探究を進めています。そういった基礎調査をもとに,自治体や地域住民には,地域の持続的発展への政策提言をなすとともに,企業との連携では,社会課題の解決を中心に据えた製品やサービスの開発・ブランディングに取り組んでいます。
 研究グループに参加する学生たちは,他の研究機関,企業,自治体などとの協働プロジェクトを通じて,課題発見力,企画立案力,コミュニケーション力を高めています。

地域イメージの解析
地域社会と自然環境の持続的発展モデル

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