協創経営
プログラム

技術と地域・社会との橋渡しを担う実践力ある技術者の育成

文系・理系の枠を超えた視点から社会的課題に向き合い、工学技術の応用により解決策や新たな価値を‘‘社会と「協創」'’することができる人材を育成します。

プログラムの特色

 協創経営プログラムは、自然科学と人文・社会科 学の知見を組み合わせ、現代社会が抱える複雑な課題に対応できる力を育てる実践的な教育プログラムです。講義に加え、地域·企業との連携によるPBL(課題解決型学習)や実習を通じて、チームでの共創力を身につけた即戦力となる実践的な人材を育成します。

教育プログラム

 協創経営プログラムでは、工学と経営学をともに学び、複雑な社会課題を主体的に発見・解決す る能力を育成しています。このため、課題解決型授業(PBL)を通じて、地域や産業界と連携した 教育を行っています。学生が自身の関心や将来 のキャリアに応じて柔軟に学べるよう、工学分野 の専門科目を「パッケージ」化して提供し、自律的な科目選択・履修を可能にしています。

写真は、日本有数の金属加工と中小企業の集積で知られる燕・三条地域の製造現場において、拡張現実(AR)仮想現実(VR)技術を金属製造現場に導入可能性を試験している様子。(撮影・指導協力(株)ツバメックス(本社・所在地:新潟県新潟市西蒲区

授業紹介

 本プログラムのカリキュラムでは産業界等との連携による実践学習、座学による知識の修得、ディベートやディスカッションによる双方向対話型学習を、同時かつ交互に繰り返します。それによって年次進行に伴うレベルアップを図り、確実に力を身につけられるような履修の流れとなっています。

  • アクティブラーニングとPBL(課題解決型学習) を中心とした実践的教育
  • 卒業研修・卒業研究は産業界等が有する課題解決を目的としたテーマ設定
  • 科学技術表現法やマーケティングなどのコミュニケーションや経営関連の科目も配置し、工学と経営学を融合した科目構成を実現
  • パッケージ科目(先端融合材料,先進未来システム,次世代社会文化環境システムデザイン,エネルギー・環境)を選択し履修することにより、高度化・複雑化する先端技術に対応可能な幅広い工学的知識を習得

プログラムの
先端研究

深部静脈血栓症予防装置の開発事例

尾田雅文教授

 医療の現場とものづくり現場のそれぞれの課題を解決するため、新しい深部静脈血栓症予防装置を開発・試作しています。
医療現場における課題
 長時間同じ姿勢を取り続けると、血管内に発生した血栓が血液で運ばれ、肺血栓塞栓症や心筋梗塞等、生命の危機に直結する症状を発症することがあります。医療の現場では、問欲的空気圧迫装置等を用いて予防しますが、装置装着部位の蒸れやかゆみなどを訴える患者さんが存在します。
地域産業における課題
 地域産業を担う企業では、特に「次の時代を担うものづくり若手人材の育成」が課題とされています。また、地域の持続的発展のためには、「新規事業の創出」が必要であり、そのためのヒントを得たいとの要望が根強くあります。
課題解決に向けたアクション
 医療の現場と地域企業の双方の課題を解決するために、地域企業のものづくりチームとともに新しい深部静脈血栓症予防装置を試作しました。本装置は、足関節を持続的他動運動することで、「第2の心臓」と呼ばれるふくらはぎ(ヒラメ筋)を伸縮運動させます。この時、静脈内の逆流防止弁が作用し、血流改善の効果を生みます。本装置の効果は、超音波工コー装置のカラードップラー画面により確認しました。

持続的他動運動による深部静脈血栓症予防試作装置
装置による血流量改善効果を超音波エコー装置で評価
評価結果の検討・考察(研究室の風景)

リレーションシップ・デザインの探究

長尾 雅信准教授

 経済やテクノロジーの発展は人間の生活を豊かにする一方で,自然環境や社会に負荷を与え,その存続を危うくする側面も有しています。自然や社会の持続可能性を高めていくために,人や組織は自分たちを取り巻く環境(自然,地域社会など)とどのように付き合っていけばよいのか。私たちの研究グループでは,異分野の研究者や企業,自治体,市民組織等と協働しながら,リレーションシップ・デザイン(関係性のあり方)の探究に取り組んでいます。具体的な研究テーマとしては,プレイス・ブランディング(地域のブランド化),CSV(Creating Shared Value:企業の経済的価値と社会的価値の両立)を取り扱っています。
プレイス・ブランディングでは,観光客等の来訪者や移住者を地域に誘引し,経済的な発展を目指すと同時に,居住者による地元愛の醸成を通じて地域コミュニティの活性化を図ることが目指されています。また,世界的に異常気象が頻発し,日本においても自然災害が多発する中で,プレイス・ブランディングは地域の防災力にも結び付いています。地域やその自然,歴史文化,ライフスタイル等をどう捉え,意味を見い出しているのか。本研究グループでは,アンケートやSNSのソーシャルリスニングによって集めた言語・画像データの解析,フィールドワークやインタビュー調査に基づいた質的分析,企業や地域の人々とのワークショップ等を組み合わせながら,その探究を進めています。そういった基礎調査をもとに,自治体や地域住民には,地域の持続的発展への政策提言をなすとともに,企業との連携では,社会課題の解決を中心に据えた製品やサービスの開発・ブランディングに取り組んでいます。
 研究グループに参加する学生たちは,他の研究機関,企業,自治体などとの協働プロジェクトを通じて,課題発見力,企画立案力,コミュニケーション力を高めています。

地域イメージの解析
地域社会と自然環境の持続的発展モデル

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