社会基盤・地域課題■■■■■■■■■■ 土木構造物や建築物の耐震化が進む中で、近年の地震では液状化などの宅地地盤被害が注目されています。また、平野地盤はその表層構造によって地表面での揺れの大きさや固有周期が異なるため、被害が局地化する例がよく見られます。 当研究室は、近年利用が可能となってきたボーリング調査のデータベースを用い、主に沖積層を対象とした表層地盤構造のモデル化を試みてその特性を把握した上で、地震時の地盤の危険度(液状化危険度や地盤増幅度、斜面安定等)の広域評価へ活用する方法を研究しています。 ボーリングデータによる液状化の危険度や地盤増幅度を算定する手法はほぼ確立していますが、広域を評価する場合、ボーリング情報が疎な地域や深部の推定精度向上や地下水位情報のばらつきが課題となっています。そこで、ランダムに存在するボーリング柱状図から得られる土質やN値、孔内水位等の情報に基づき、Kriging法などの空間統計学の手法を用い、等間隔の柱状地盤モデルを構築します。このモデルから、様々な地震ハザード評価への展開が期待されます。 なお、地盤の構造と様々な地震ハザードは、地形条件や河川流域毎に大きく変わる可能性があるため、そのような地域特有の要素を加味して評価することで、予測精度の向上が期待されると考えています。 長年研究してきた液状化に関する知見を地域に還元したいと考えています。 空間統計学とGISを活用した研究ですが、地盤防災以外への展開も考えられます。●キーワード● 液状化、地盤増幅度、沖積層、ボーリングデータベース地盤工学会編:全国77都市の地盤と災害ハンドブック,丸善出版,2012.(新潟市を担当執筆)保坂吉則:ボーリングデータベースに基づく新潟市域の表層地盤の粒度と工学的特性,地盤工学ジャーナル,Vol.13,No.4,pp.341-357,2018.※お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまでonestop@adm.niigata-u.ac.jp専門分野地盤工学、地盤防災・主に平野部に立地する地域の地震防災を担う自治体・連続する社会基盤施設(道路、鉄道、堤防、上下水道等)の地震防災を担う管理者6-7http://geotech.eng.niigata-u.ac.jp/自然科学系 助教保坂 吉則 HOSAKA Yoshinori関連する知的財産論文 等新潟市表層の土質とN値の推定例(深度2~10m平均)信濃川下流の河道沿いの推定地盤断面(土質・N値)研究の目的、概要、期待される効果アピールポイントつながりたい分野(産業界、自治体等)地盤工学研究室平野地盤の工学的構造の解明と地震時挙動の評価~ボーリング情報を活用した表層地盤のモデル化~
元のページ ../index.html#97