「つながる研究」工学部版
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社会基盤・地域課題 気候変動後を見据えた海岸・河口域の土砂動態・地形変化を分析しています。 地球温暖化後を想定するために、擬似温暖化手法を用いて、過去に発生した気象現象を気候変動後のシナリオに基づいて、強度を変化させることができます。将来は台風の強度が増加する可能性が高いと言われていますので、日本海を通過する台風も強度が増して、結果として日本海における波浪の強度も高くなり、海浜変形も大きく生じる可能性を指摘できます。 地形変化の分析には、最先端の数値計算モデルであるXbeachを用いています。右図には、新潟青山海岸における離岸堤背後の地形変化の数値計算結果を示しています。過去には1級河川である新潟県荒川周辺域の地形変化を数値計算していました。今後は、海浜変形の気候変動後の結果を用いる予定です。このようにして,新潟の海浜や河口閉塞を引き起こす砂州を始めとした、将来にかけて海浜地形や河口域の砂州地形がどう変化するかを分析します。 このような分析から、統合流域土砂管理計画や気候変動後を見据えた河川河口域の維持管理に資する研究を展開いたします。 気候変動後を見据えた河川河口域~海岸域の維持管理に資する分析を行います。研究では、最先端の数値計算モデル(気象、海洋流動・波浪、土砂輸送モデル)を用いています。1)Ohizumi, K., Nakamura, R., Katayama, D., Ito, S., Ishibashi, K., Kato, S. (2022): Psudo global warming experiments of beach morphological change: case study in niigata coast caused by typhoon Lupit (2021). International Conference on Coastal Engineering (ICCE), Sydney, Australia..2)伊藤秀,片山大地,大泉洸太,石橋邦彦,中村亮太,加藤茂 (2022): 令和3年台風9号通過前後の新潟青山海岸の離岸堤付近の海浜変形の現地調査と数値計算.土木学会論文集B3(海洋開発) 78(2): I_103-I_108.※お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまでonestop@adm.niigata-u.ac.jp●キーワード● 気候変動、河口土砂動態、海浜変形、台風、洪水.専門分野海岸工学、大気力学・海岸・河川河口域を維持管理している国土交通省や、数値計算モデルを用いて河川~海岸域を分析している建設コンサルタント。6-5http://www.eng.niigata-u.ac.jp/~stormsurge自然科学系 准教授中村 亮太 NAKAMURA Ryota関連する知的財産論文 等IPCCの将来シナリオ(RCP8.5)を用いた台風の強度(風速)の変化に関する数値計算結果新潟県青山海岸における離岸堤背後の地形変化量の変化(伊藤ら,2022)研究の目的、概要、期待される効果アピールポイントつながりたい分野(産業界、自治体等)海岸工学研究室気候変動を見据えた河口・海岸域における土砂動態機構・海浜地形に関する研究

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