「つながる研究」工学部版
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社会基盤・地域課題 コンクリート構造物は種々の原因で経年劣化を生じますが、その原因となる物質(塩化物イオンや水など)の作用は、部位によって異なっているため、劣化の進行も構造物全体で同じではなく、部位によって異なります。そのため、適切な予防保全や効率的な維持管理には、構造物各部位における劣化作用を定量的に評価する必要があります。  独自に開発した「薄板モルタル供試体」を構造物の各部位に貼り付け、短期間の暴露試験を行うことによって、構造物のどの部位の環境が厳しく、劣化しやすいかを把握することができます。 今後は本手法を活用して、部位毎の劣化予測手法を確立し、劣化作用の程度と必要な予防保全や維持管理手法を関連付け、実務に適用したいと考えています。 本手法を適用することにより、これまで経験的に行われていた維持管理の最適化が図れます。特許第5686349号:「コンクリート構造物の劣化診断ツール及び劣化診断方法」1)佐伯竜彦,能勢陽祐,菊地道生:薄板モルタル供試体を用いたミクロ塩害環境評価手法に関する基礎的検討,コンクリート工学年次論文集,Vol.33,No.1,pp.803-808,2011.2)佐伯竜彦,山口 肇,斎藤 豪:構造物各部位の水掛かりの定量評価手法に関する研究,コンクリート構造物の補修,補強,アップグレード論文報告集,第22巻,pp.445-450,2022.※お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまでonestop@adm.niigata-u.ac.jp●キーワード● 局所劣化環境、薄板モルタル供試体、塩化物イオン、水掛かり専門分野コンクリート工学・コンクリート構造物を管理者である自治体、維持管理業務を行っている企業との共同研究を希望します。http://concrete.eng.niigata-u.ac.jp/自然科学系 教授佐伯 竜彦 SAEKI Tatsuhiko関連する知的財産論文 等6-4薄板モルタル供試体による橋梁各部位(PC T桁)の飛来塩分環境評価例予防保全を行った場合のLCC計算例研究の目的、概要、期待される効果アピールポイントつながりたい分野(産業界、自治体等)セメント・コンクリート研究室コンクリート構造物の局所劣化環境評価と維持管理への応用

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