「つながる研究」工学部版
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製造技術・部品を小型化したいが、強度不足でお困りのケースなど・振動機械で特定の部品が異常に摩耗し、メンテナンス頻度が想定よりも高いケースなど※お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまでonestop@adm.niigata-u.ac.jp 本研究は、摩擦力を高くかつ安定させることによって、機械の信頼性の向上や小型化を実現するものです。通常、摩擦力によって固定あるいは締結している機械要素部品では、高い摩擦力が望ましいです。しかし、汚染や表面酸化膜の影響で締結直後は低い摩擦係数を示したり、小型化のためにより高い摩擦係数が求められる場合などがあります。そのため、表面処理あるいはより高強度な材質に変更するなどが必要でした。 例えば、図1に示す脊椎用インプラントの例では、ロッドをスクリュ(水色)で固定するため、小型化によって適正な軸力(青色)が減少すると、摩擦力の減少につながります。そのため小型化は難しいものでした。 本研究では、図2に示すようなレーザマイクロチェクスチャリングを金属表面に施すことで、金属同士の初期の摩擦から安定かつ高摩擦を発現することができる技術を開発しています。具体的には、汚染等によって0.2程度の摩擦係数を示していた金属材料を、初期から0.6程度まで増加させることが可能です。この技術により、確実な初期固定やフレッチングの防止などが可能となります。また、ズレ防止により振動機械の耐フレッチング性向上も期待できます。 安価なレーザマーカ装置によってあらゆる金属表面に本技術を後加工できます。 振動機械におけるズレ防止などが、摩擦力を増加させることで期待できます。レーザ加工による高摩擦面を利用した骨固定プレート、骨固定装置(特開2017-153816)Proposal of new polyaxial-locking mechanism of osteosynthesis plate(ICMDT2017, p255)骨接合プレートにおけるタッピングを用いた新しいポリアクシャルロッキング機構の提案(2017機械学会年次大会)●キーワード● トライボロジー、高摩擦、摩擦制御、レーザ加工、摩耗専門分野トライボロジー、設計工学、機械要素、レーザ加工http://tribo.eng.niigata-u.ac.jp自然科学系 准教授月山 陽介 TSUKIYAMA Yosuke関連する知的財産論文 等5-4図1 高摩擦係数表面による小型化の例図2 レーザ照射による高摩擦表面と摩擦係数研究の目的、概要、期待される効果アピールポイントつながりたい分野(産業界、自治体等)トライボロジー研究室~ レーザマイクロテクスチャリングによる摩擦制御 ~高摩擦表面の開発

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