磁場で物体の柔らかさを自由にコントロールできる材料、可変弾性ソフトマテリアル(Variable Elastic Soft Material)を開発しています。 当研究室ではこれまで、磁場に応答して弾性率が劇的に変化する材料「磁性ソフトマテリアル」を開発してきました。これは高分子ゲルやエラストマーなどのソフトな材料に磁性微粒子が分散された複合材料です。永久磁石を近づけると、プリンの硬さから軟質プラスチックまで変えることができます。弾性率の変化率は500 倍。世界最高レベルです。磁場で粘弾性が変化するこのような現象は磁気粘弾性効果(magnetorheological effect)と呼ばれています。磁気粘弾性効果をより低い磁場で、より大きく変化する材料の開発を進めています。 ひとつの材料で柔らかい状態、硬い状態を作ることができるので、触覚を表現できるデバイスが作れます。例えば、離れた場所で手術をするとき、臓器などの硬さを伝えることができれば便利です。また、物体の硬さが変われば、音や振動の伝達モードが変化します。音を伝えたいときにだけ伝えられる建材などに応用できます。 電磁場、音場、力学刺激により物性が劇的に変わるソフト材料の材料設計、物性評価(力学・電気・音波物性)ができます。●キーワード● 磁性エラストマー、刺激応答性材料、磁気粘弾性効果、高分子ゲル、エラストマー磁性弾性体とその製造方法(特開2012−227411)熱伝導率可変材料(特開2015−89896)クッション装置(特開2015−102206)※お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまでonestop@adm.niigata-u.ac.jp専門分野ソフトマテリアル、高分子ゲル、天然高分子、複合材料、高分子物性・磁性ソフトマテリアルの用途は床ずれ防止マット、防振ゴム、VRのゲーム機までさまざまです。実用化を目指す企業を期待します。4-13研究の目的、概要、期待される効果アピールポイントつながりたい分野(産業界、自治体等)http://mitsumat.eng.niigata-u.ac.jp/index.html授教究研 構機進推究研 ・ 授教准 系学科然自三俣 哲 MITSUMATA Tetsu磁性ソフトマテリアルの物性・機能・応用関連する知的財産論文 等磁石の上におくと指で押しても硬くてへこまない(写真左)。磁石からはずすと、もとの柔らかいゴムに戻る(写真右)。日経産業新聞掲載記事より磁性ソフトマテリアルの弾性率の磁場応答性。60秒ごとに磁場をオン・オフしたときの弾性率。J. Phys. Chem.掲載図よりハイブリッド材料研究室〜 磁場で柔らかさを自由に変えられる新材料 〜
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