環境・エネルギー 近年の科学技術の発展は凄まじく、人類にとっては非常に便利な世界になりました。しかしそれは電気エネルギーへの依存が増加し続けていることに繋がり、当面この依存が減ることはないでしょう。したがって、 今後は化石燃料を通さず、 いかに効率よく電気エネルギーを生み出せるかが鍵となります。身の回りのどこにでもある「温度差」を利用して発電できる熱電変換は、クリーンな発電および発電効率の向上に期待されており、 熱電変換効率の向上と大規模な応用が必須です。 高性能な熱電材料には高い熱起電力、 低い電気抵抗および熱伝導率が必要となります。これらを決定づけるのは、 主に物質中において高いエネルギー状態にあるフェルミエネルギー近傍の僅かな電子です。当研究室では、 この電子を物質探索および物性測定を通して調査、 理解することによって熱電材料の発展に貢献しています。 また、最近では具体的な応用についても貢献したいと考えています。特に寒暑、強風、豊富な温泉などを容易に得ることができる新潟には様々な可能性が眠っているように見えています。是非皆様の力を借りながら大学だけでは難しい研究、開発を行うことを望んでいます。 多結晶および単結晶試料の作成および熱起電力、電気抵抗の温度依存性を圧力下で測定し、物理的観点からの解明、開発を得意としています。T. Nakano, et. al., International Conference on Thermoelectrics 26th, 121 (2007).T. Nakano, et. al., J. Phys. Soc. Jpn. 80SA, SA058 (2011).「1T-TaS2の熱電物性」, 松本絋祐ら,第13回日本熱電学会学術講演会予稿集※お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまでonestop@adm.niigata-u.ac.jp専門分野熱電変換材料、 強相関電子系材料、 磁性超伝導、 高圧力物性●キーワード● 熱電変換、物質開発、物性測定、応用・熱電発電に対して物性の基礎から研究、開発を行う分野・地域に密着した熱電発電についての議論、開発をお考えの企業との共同研究を期待します。https://researchers.adm.niigata-u.ac.jp/html/100000281_ja.html自然科学系 准教授中野 智仁 NAKANO Tomohito関連する知的財産論文 等2-19相転移(160K付近)によって状態密度が変化し、熱起電力が向上する様子熱電変換のイメージ研究の目的、概要、期待される効果アピールポイントつながりたい分野(産業界、自治体等)中野 研究室熱電変換材料の開発とその応用 ~ 基礎と応用の架け橋として ~
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