環境・エネルギー 今日の社会システムは、化石燃料を中心としたエネルギー供給を基盤としているため、必然的に二酸化炭素の排出を伴います。持続可能な未来社会を実現するためには、化石燃料に依存したエネルギー供給を根底から変革する必要があり、再生可能エネルギーを利用したエネルギー供給システムの構築が重要です。 当研究室は、次世代エネルギーとして期待されている水素を高効率に生産可能な水の電気分解システム(図1)の構築を目指し、その重要な構成要素である、酸素発生触媒および水素発生触媒の開発を進めています。 当研究室は、触媒修飾電極の簡便作製法(図2)の開発に成功し、本手法によって作製した酸素発生触媒修飾電極が優れた耐久性と触媒性能を有することを明らかにしました(図3)。この結果は、水の電気分解水素製造システムの実用化に向けた重要な研究成果です。最近では、白金に替わる安価な水素発生触媒修飾電極にも取り組んでいます。 本手法では、触媒の原料となる金属材料の種類や割合を自由に変えることができるため、様々な触媒反応への応用が期待されます。 操作環境に応じて触媒修飾電極の大きさや形状は設計可能です。研究室には触媒開発および評価に関する装置が完備されており、安価に研究開発を行うことができます。●キーワード● 人工光合成、太陽光エネルギー変換、水の電気分解、水素製造、酸素発生触媒、水素発生触媒、電極材料・触媒および触媒の製造方法(特開2019-90888)・触媒の製造方法、金属酸化物の製造方法および触媒(特開2019-95465)・ Z. N. Zahran and M. Yagi et. al., ACS Appl. Energy Mater., 2020, doi:10.1021/acsaem.0c02628.※お問い合わせは新潟大学社会連携推進機構ワンストップカウンターまでonestop@adm.niigata-u.ac.jp専門分野無機化学、触媒化学、電気化学、光化学・太陽光・風力などの再生可能エネルギーを用いた水素製造に興味がある分野、二酸化炭素の排出削減・利用に興味がある分野の企業、自治体2-18http://yagilab.eng.niigata-u.ac.jp/自然科学系 教授八木 政行 YAGI Masayuki関連する知的財産論文 等図1. 高効率水の電気分解システムによる水素製造図2. 高活性酸素発生触媒修飾電極の作製手順の一例図3. 高活性酸素発生触媒修飾電極の性能研究の目的、概要、期待される効果アピールポイントつながりたい分野(産業界、自治体等)無機ナノ材料研究室複合系電極触媒を用いた高効率水素製造システムの開発 ~ 持続可能な水素社会の実現を目指して ~
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