研究の目的、概要、期待される効果
ガソリンエンジン、ガスコンロ、ファンヒーターの点火プラグは、現在の形で長年使用されてきました。完成された技術ですが、点火回路の小型軽量化のブレークスルーはないのでしょうか?
本研究では、従来の点火プラグの形状をむしろシンプル構造にでき、放電開始電圧を低電圧化でき、放電状態を安定化できるスパークプラグを開発しました。図1は、セラミック被覆カソードの概略図です。針電極は、従来のように先鋭化する必要がなく、平坦な裁断面をもちます。セラミックパイプが、針電極を覆うことで、誘電率の異なる三重点(トリプルジャンクション)を形成します。電子は、ここから放出し易くなると共に沿面放電による安定した放電チャネルを形成し、放電電流を大きく(注入エネルギーの増大)することが可能となります。
図2に放電開始電圧特性を示します。従来型のセラミックなしは、放電開始電圧が高くバラツキも大きいことがわかります。すなわち、本技術の適用により、高電圧発生回路の小型軽量化が可能になると共に、ミススパークの低下による燃焼効率向上が期待できます。


アピールポイント
学生時代も含め約30年、電力工学、高電圧工学の実験に携わると共に、真空放電・気中放電装置の設計製作、および高電圧・大電流計測を行っています。
つながりたい分野(産業界、自治体等)
高電圧分野だけでなく、風力、太陽光、小水力発電などのエネルギー変換、水素エネルギー応用を目指す分野、エネルギーの地産地消を導入したい企業・自治体を応援します。