研究の目的、概要、期待される効果
空想の生き物や人の心のはたらき、アニミズムを題材として「自分を自分たらしめるものは何か」というテーマのもと、鋳金という金属加工の技法を用いて作品制作・芸術表現の研究を行っています。目に見えないモチーフを視覚や触覚で知覚できる形に表現するために、金属や顔料などの素材を組み合わせ、素材や表現技法が作品及び鑑賞者にもたらす効果を研究しています。
近年は作品の材料となる銅の産出地を取材した体験をもとに、銅と銅を含む鉱物を組み合わせた造形物と写真を1組にした作品を制作するなど、フィールドワークを通して、特定の場所から得られる体験や思考を作品のテーマや造形、表現手法、展示空間に反映させる試みを行っています。
芸術表現は個人的なものであるとともに、鑑賞や体験を通して人々に感情の動きや思考、それに伴う行動の変化を引き起こすことのできるものでもあります。作品制作や、ワークショップ・アートプロジェクトを通して、地域社会や人々の多様な心の動きと思考を促す機会を作っていきます。

左下/鋳型に溶けた金属を流し込む様子

アピールポイント
「すぐ役に立つ」問題解決型の研究ではありませんが、芸術表現は人や地域社会にゆるやかにアプローチできる分野だと考えています。
つながりたい分野(産業界、自治体等)
アートプロジェクトや芸術祭、ワークショップ等による地域振興に取り組んでいる自治体など