研究の目的、概要、期待される効果
太陽日射の豊富な海外のサンベルトでは、大型太陽集光システムにより~1500℃の高温熱が得られます。太陽熱発電では熱媒体の制限から550℃以下での発電が実用化済みです。高温太陽熱を熱化学プロセスの熱源に利用することで、水の二段階熱分解による水素製造や、二酸化炭素の二段階熱分解による一酸化炭素を製造できます。
本技術はペロブスカイト酸化物を酸化還元系として用いた二段階熱化学サイクルにより、火力発電所等から排出される高濃度の二酸化炭素を一酸化炭素に転換、また水の二段階熱分解サイクルと組み合わせることで、水素と一酸化炭素の合成ガスが得られます。合成ガスはFT(Fischer-Tropsch)プロセスの原料となり、炭化水素燃料に転換する“二酸化炭素の燃料化”が可能となります。また、水素や一酸化炭素は化成品製造の原料としても利用できます。
熱源として太陽エネルギーを用いることから、二酸化炭素の排出削減を目指した再生可能エネルギー駆動の二酸化炭素の循環利用・燃料製造プロセスとして期待できます。

アピールポイント
二酸化炭素の排出削減は再生可能エネルギーと組み合わせるのが有効と思います。赤外線イメージ炉による卓上試験からキセノンランプによるプロトタイプのラボ試験まで対応可能です。
つながりたい分野(産業界、自治体等)
水素製造技術に興味のある分野、二酸化炭素の有効利用に興味のある分野の企業を期待します。