研究の目的、概要、期待される効果
医療分野に止まらず、日常にある健康や安全な生活のために必要な医学生理学的検証を、医学と工学を組み合わせて取り組んでいます。特に、視覚と脳神経系の関係に注目して、モノを見ることをきっかけとして、見た情報の脳内処理から全身へ波及する脳と臓器の連関を分析し、診断技術の開発、ヘルスケアのためのモニタリング技術を開発しています。
眼球はモノを見るために精密に運動しますが、その際の動きの向きや速度、パターンに多くの情報を持っています。また、瞳孔は光に反応してその径を変化させるだけではなく、情動(喜怒哀楽の様な感情)の変化にも敏感に反応し径を変えます。これらは自律神経系の作用によって変化します。眼球運動や瞳孔を分析することで、脳内で起こっている現象や自律神経の様子を推定することが期待できます。
ヒトの豊かな生活のためには、肉体的な健康に加えて心の健康にも気を配りたいところです。感性に効果をもたらす美術や音楽を探り、科学的に芸術の良さを考えることにも取り組んでいます。脳神経系を中心とした生体計測から心身の状態をモニタリングする技術は、医療、ヘルスケアへ大きく貢献できる分野です。


アピールポイント
医学部保健学科、医学科生理学教室などと密に連携し、医工学研究を推進しています。医学と工学の双方の専門知識・技術を用いて研究開発しています。
つながりたい分野(産業界、自治体等)
計測機器、光学機器、ITを含む電子・情報系メーカー、医療機器メーカー、ヘルスケアを目的とする仕組み作りに関心のある企業、自治体など