研究の目的、概要、期待される効果
近年、景観に対する市民の関心が高まり、景観の実態調査や保全のための仕組みづくり、自治体に対する景観計画の提案などを行うNPO組織が増えています。さらに、このような民間の動きを受けて、全国各地の自治体では景観保全の施策を新設・強化しているところが多くあります。
本研究室では、歴史的景観の保全という視点から、上述のNPO組織や行政組織と協働しながら調査・研究を実施し、これを景観保全の施策やまちづくりに反映していくという活動を行なっています。具体的には、歴史的景観の基礎調査(建造物群や路地空間の調査、都市の成り立ちの研究など)から、それを活用した景観保全の手法(景観計画、景観形成基準、登録文化財、建築基準法、まちづくりのプロセス、空き家再生のプロセスなど)についての調査・実践を行なっています。
人口減少や少子高齢化が進み、地方自治体の衰退が問題視されるなか、都市空間の量的充実から質的充実へと目標転換を図り、持続可能で個性のあるまちづくりを行うことで、新しい競争力をつけていくことを各自治体は求められています。
本研究室の研究活動は、景観という側面から、この社会的課題に寄与できると考えます。


アピールポイント
歴史的景観を調査し、これを住民、行政職員やNPO関係者らとワークショップなどを通して共通認識化し、施策やまちづくり活動へと展開する一連のプロセスをサポートします。
つながりたい分野(産業界、自治体等)
歴史的景観を活かしたまちづくりを進めようとしているNPO組織や地方自治体(都市計画部局など)、これをCSR活動などを通して支援しようとする企業などとの協働が可能です。