研究の目的、概要、期待される効果
機器や装置の機能に加えて、見た目やデザイン性の両立が、装置の円滑・安全な利用において、重要となる場面があります。
近年、高齢者介護においては、認知機能や運動能力(筋力)の低下防止が課題となっており、そのための「 運動介護施設」が増加傾向にあります。このような施設では、利用者のモチベーションの維持・向上と、施設内の安全確保とコミュニケーションの円滑化の要望がありました。
これを実現する装置設計を、民間企業との共同研究として受入し、当研究室(機構設計)と橋本学研究室(教育学部:プロダクトデザイン)との連携により、外観と機能の両デザインを統合した高齢者向けトレーニングマシン(図1)を提案・設計・試作いたしました。
特に、「ぬくもり」「意欲向上」などのコンセプトを素材や色で実現すると共に、利用者同士や運動指導員との目線を遮らないよう高さを抑えた構造・機構設計を行いました。また、「無理なく」「継続性の高い」運動負荷を提供するために、従来のおもりを持ち上げる構造を改良した新たな負荷発生機構を提案しました。
本試作機を用いて、安全な運動負荷提示および運動量評価手法の確立・検証を進めています。

高齢者向けトレーニングマシン
アピールポイント
色や外観形状の実装と装置・機能の機械システムとしての実現を、異分野融合により両立し、プロトタイプ製作を行っています。
つながりたい分野(産業界、自治体等)
高齢者や児童福祉のみならず、産業・労働現場等において、装置等の機械化と使用者心理にもとづく外観や安全機能のデザイン融合を必要とする分野との連携を期待します。