研究の目的、概要、期待される効果
ものづくりにおいては、「マルチマテリアル化」による高機能化を達成するため、様々な材料を組み合わせる(接合する)技術が開発されています。一方で、接合に伴う加熱や材料変形のプロセスは、材質の劣化を引き起こす場合が多く、その性状を正確に把握することが必要となります。特に、異なる材質同士が接する接合界面では、ミクロ組織の変化や残留応力が発生しやすく、これらが接合の信頼性を低下させる原因となります。当研究室では、光計測や音響計測を利用して材料や、材料同士の接合部に生じる欠陥を非破壊で検査する技術の開発研究を行っています。
光計測の一例として、当研究室で製作したレーザースペックルパターン干渉計は、測定する材料の表面に拡大したレーザー光を照射し、光の干渉によって生じた干渉縞模様を測定する手法です。材料表面に生じた1μm以下の微小な変位をデジタルカメラを用いてリアルタイムに撮影することが出来ます。接合部に局所的に加熱したり音響振動を与えることによって励起された、与えた微小で可逆的な(非破壊)変形を可視化することで、材料内の欠陥や応力状態を推定する手法の研究を進めています。非破壊、非接触、高速、広視野を実現した非破壊検査法の開発を目指しています。


アピールポイント
接合プロセスや材料の疲労に伴う欠陥の生成や,劣化の過程を光計測,シミュレーション,材料組織解析による複合アプローチによって解明します
つながりたい分野(産業界、自治体等)
自動車周辺部品、航空機部品、電子部品をはじめ、金型加工、医療機器分野など、ものづくりにおいて接合に関わるあらゆる企業とのつながりを期待します。