研究の目的、概要、期待される効果
サブミクロンオーダーの超精密計測では、一般的に光波干渉計が用いられます。しかし、市販の干渉計は非常に高価です。また、機械的振動などの外乱に弱いため、光学除振台や静かな測定環境が必要です。製造現場に気軽に導入することはできません。
この問題を解決するため、当研究室では、半導体レーザを光源とする極めて安価な「能動型」干渉計の研究開発を行っています。能動型とは、機械的な振動の影響を除去したり、実時間での計測を可能としたりする機能を意味しています。
半導体レーザは、CDプレーヤーなど我々の身の回りにある家電製品の光源として用いられており、安価に入手可能です。出射光の波長を駆動電流によって制御することにより、さまざまな能動化を実現することができます。
図1は、外乱除去機能を有する半導体レーザ干渉計の構成例、図2は、測定例です。図2(a)は非能動型、図2(b)は能動型で観測された信号で、能動型の信号が時間的に安定している様子がわかります。図2(c)は、能動型で測定された磁気ディスクの表面形状です。1回目と2回目(10分後)でほぼ同じ周期構造が観測されています。両者の差は、標準偏差で4.2nmです。


アピールポイント
従来、干渉計測が行えなかった環境下でも正確な計測が行えます。表面形状のほか、微小振動、微小変位の計測も可能です。
つながりたい分野(産業界、自治体等)
・製造加工業で精密計測を必要とする分野
・非接触光計測を必要とする分野
・安価な精密計測技術をお探しの方