研究の目的、概要、期待される効果
磁場で物体の柔らかさを自由にコントロールできる材料、可変弾性ソフトマテリアル(Variable Elastic Soft Material)を開発しています。
当研究室ではこれまで、磁場に応答して弾性率が劇的に変化する材料「磁性ソフトマテリアル」を開発してきました。これは高分子ゲルやエラストマーなどのソフトな材料に磁性微粒子が分散された複合材料です。永久磁石を近づけると、プリンの硬さから軟質プラスチックまで変えることができます。弾性率の変化率は500 倍。世界最高レベルです。磁場で粘弾性が変化するこのような現象は磁気粘弾性効果(magnetorheological effect)と呼ばれています。磁気粘弾性効果をより低い磁場で、より大きく変化する材料の開発を進めています。
ひとつの材料で柔らかい状態、硬い状態を作ることができるので、触覚を表現できるデバイスが作れます。例えば、離れた場所で手術をするとき、臓器などの硬さを伝えることができれば便利です。また、物体の硬さが変われば、音や振動の伝達モードが変化します。音を伝えたいときにだけ伝えられる建材などに応用できます。


アピールポイント
電磁場、音場、力学刺激により物性が劇的に変わるソフト材料の材料設計、物性評価(力学・電気・音波物性)ができます。
つながりたい分野(産業界、自治体等)
磁性ソフトマテリアルの用途は床ずれ防止マット、防振ゴム、VRのゲーム機までさまざまです。実用化を目指す企業を期待します。