平成20年度設計製図U

 JABEEの要請に対応すべく本年度の設計製図は,課題発見と問題解決のための設計製図の授業とした.学生自ら身近な問題を発見し,それを解決するための装置を考え,設計と図面化を行い,モデルを作製するものとした.
 以下に授業の概要を示す.

製作品発表会の様子

設計製図U日程

●4〜5人グループ(18グループ)

●今年度の課題
 ・パワーアシスト装置
 ・ゴミ拾いアシスト装置
 ・究極のエコカー
 ・その他

__・10/ 7:夏休みレポート(個人)提出, 授業の再説明, 
       電子特許図書館の利用方法説明,ボルト実験の説明
__・10/14:一組 ボルトの破壊実験,    二組 課題についての話し合い
__・10/21:一組 課題についての話し合い, 二組 ボルトの破壊実験
__     製作予定の“もの”の独創性・製作可能性等を判断し、
       各チームの“もの”を決定。(電子特許図書館の利用)
__・10/28:各チームの”もの”の決定.”もの”に対する打ち合わせ開始
__・11/04:各チームでの打合せ・ポンチ絵,仕様,機構,使用材料等の話し合い
       プレゼン資料の作成
__・11/11:チーム毎に,課題の発表会・学生同士の評価
__・11/18:図面(組み立て図・部品図)の作製
__・11/25:図面(組み立て図・部品図)の作製
__・12/ 2:図面(組み立て図・部品図)の提出
__・12/ 9:図面から,モデルを作製(外観・機構)
__・12/16:図面から,モデルを作製(外観・機構)
__・ 1/13:図面から,モデルを作製(外観・機構)
__・ 1/20:モデルの完成
__・ 1/27:”もの”の説明発表会・学生同士の評価

夏休みレポート作製方法

   4つの課題について、・・・・そのうち2つ
   ・現場調査結果
   ・課題解決方法・手法
   ・製作物のポンチ絵・大きさ
   ・製作物の機構の説明
   ・製作物の新規性と独創性(独自の工夫箇所 最低3カ所)  
   ・使用する材料,部品のリスト


提出仕様書の内容

__・課題名
__・課題に対する,現状・問題点
__・問題点の解決方法と,その手法を用いた理由
__・課題の観点(与えられたもの・必修条件)の選択とその選択理由
__・その製品のコンセプト(利点・工夫する点)
__・ポンチ絵(おおよその大きさ,外観,機構など)
__・使用する材料,部品のリスト


課題1:パワーアシスト装置

<課題>
  重い物を運んだり、持ち上げるとき、一人ではできなく他の人に助けてもらうことが多い。そのよ
  うな作業を、一人でできるようになる『パワーアシスト装置』を製作せよ。アシスト対象は各自適
  宜決めること。たとえば、ベッドから車椅子まで要介護者を移動させるなど。
  昨年度の例
   ・大きさ 縦300×横300×高さ300の立方体 
   ・重さ  30kg
<現場調査をせよ!> 
  ・体のどこをサポートすべきか?(サポート箇所は何カ所必要か?)
  ・どのような体勢の時アシストを必要とするか?
  ・・・・・
<仕様>
  ・コンパクトで、シンプルな構造とすること。
   機械的な機構を有すること。
  ・電動の物は用いない。パワー源は、人間の力・油圧など。   
  ・誰でも使用できる物とすること。



課題2:ゴミ拾いアシスト装置

<課題>
  毎月キャンパスクリーンデイがあり、校内の屋外を中心に教職員・学生が一丸となって掃除を行っ
  ている。その際、市販のほうき・ちり取り・スコップなどを用いて掃除を行うのだが、うまくとれ
  ないゴミなどがあり、時間を要している。
  短時間に効率よくゴミを回収できる『ゴミ拾いアシスト装置(手動掃除ロボット・機構を有する用
  具)』を製作せよ!
<現場調査をせよ!>
  ・ゴミの種類は?
  ・微小な段差はないか? 段差部分・角にあるゴミをどう回収する?
  ・ゴミを拾う動作、選別する動作、回収する動作はどうする?
<仕様>
  ・コンパクトで、シンプルな構造とすること。
    機械的な機構を有すること。
  ・電動の物は用いない。パワー源は、人間の力・油圧など。  
  ・誰でも使用できる物とすること。
  ・屋外で使用するため、耐久性を有すること。



課題3:究極のエコカー

<課題>
  近年,地球環境問題への意識が高まり,化石燃料に頼らないエコカーの発展が望まれている.しか
  し,ソーラーカーのような自然エネルギー駆動の自動車は,技術的にもコスト的にも実用化への道
  のりは長い.そこで,最も身近で安く,簡単なエネルギー源はHuman Powerであることに着目し,2
  人乗りの4輪車である「究極のエコカー」を製作しよう!
   ・工学部1F事務室(学務係)から2F機械システム工学科事務室への移動
   ・1Fから2Fへは、エレベータを利用するものとする
<現場調査をせよ!>
  ・各スロープの傾斜は?
  ・微小な段差はないか? その段差の大きさは?
  ・出入り口の幅は?    
  ・・・・
<仕様>
  ・コンパクトで、シンプルな構造とすること。
  ・電動の物は用いない。パワー源は、人間の力・油圧など。 
  ・誰でも使用できる物とすること。




製作された作品の一例


1班 放置自転車回収装置

2班 昇降台車

3班 ゴミ取りアシスト装置

4班 ゴミ拾いアシスト装置

5班  手動ゴミ回収装置

6班  ゴミ拾いアシスト装置

7班  ゴミ拾いアシスト装置

8班 ゴミ拾いアシスト装置

9班 変速機付きネジ式ジャッキ

10班 究極のエコカー

11班  ゴミ拾いアシスト装置

12班 ゴミかき込み装置

13班  ゴミ拾いアシスト装置

14班  ペットボトル圧縮装置

15班  パワーアシスト装置

16班  エコ☆フォークリフト

17班  ゴミ拾いアシスト装置

18班  ゴミ拾いアシスト装置