企業連携による実践的キャリア教育
新しいキャリア教育プログラムとして、製品のユーザに直接働きかけるマーケット・インターンシップや先端的技術に触れるテクノロジー・インターンシップを通して、自発的な思考と高い倫理観をもって社会に適応できる人材を育成する教育プログラムを実施しています。
工学力教育センターでは、工学の原点に立ち戻ってものづくりや研究活動の魅力や楽しさを学生に味わってもらい、これらを通じて工学技術への強いインセンティブと行動力を学生に習得してもらうための新たな教育プログラムを実施しています。地域社会や企業と連携した教育活動として、ものづくりを支える「工学力」教育をはじめ、文部科学省に採択された「企業連携による実践的キャリア教育」や「1年生から研究活動を行うアクティブラーニング」など新たな実践教育を行っています。
研究や開発を含め、ものづくりに向かう総合的な能力を「工学力」と定義しています。これは学ぶ力とつくる力を統合した、工学部の学生が共通に備えるべき力であると私たちは考えています。工学力教育センターではこの「工学力」をキーワードに、文部科学省の多くの支援事業に採択された取り組みを通して、新たな教育プログラムの開発とその実践を行っています。
入学前から染み付いている「知識を暗記するだけで使えるつもりになっている」という悪癖を、初年次の失敗体験を乗り越えるプログラムを通して克服し、「知識の応用力(工学的リテラシー)」を効果的に身に付ける実践教育を行っています。この科目には、4年生も参加し、リーダーシップを身に付けています。
新しいキャリア教育プログラムとして、製品のユーザに直接働きかけるマーケット・インターンシップや先端的技術に触れるテクノロジー・インターンシップを通して、自発的な思考と高い倫理観をもって社会に適応できる人材を育成する教育プログラムを実施しています。
「工学力」を身に付けるための実践的な教育プログラムの一つにものづくりプロジェクトがあります。学生は自主的にテーマを決めて、グループで実際のものづくりを実行していきます。この過程でぶつかる問題や課題を克服して作品を完成していくことで、工学を学ぶ楽しさを経験し、学習意欲を高めることができます。ロボコン、学生フォーミュラなどのグループが活動しており、成果を上げています。
文部科学省の理数学生育成支援事業に採択された「スマート・ドミトリーによる高度工学力を有するトップ・グラジュエイツ育成プログラム」を平成24年度から実施しています。この取組では、研究や技術開発などに対して高い意欲を持つ学生が「スマート・ドミトリー」と呼ぶ学年縦断・主専攻プログラム横断型のグループに所属して、チームで自主的な研究活動を行います。この新しい教育プログラムでは、相互啓発により、高度な工学力を身に付けた学生「トップ・グラジュエイツ」が育成され、特に、1年生から研究を行えるのが特徴です。
国際的に通用する技術者を養成しているかどうかを審査・認定するための「JABEE(日本技術者教育認定機構)」という機関があります。
認定プログラムを卒業すると、アメリカなど世界の同様の機構に認定されている大学のプログラムを修了したのと国際的に同等の資格が与えられ、認定証が授与されます。また、技術士資格(国家資格)の一次試験が免除されます。
国際的に活躍するためには、ぜひとも取得しておきたい資格の一つです。
機械システム工学、社会基盤工学、化学システム工学、電子情報通信の4プログラムが認定を受けており、これらのプログラムの卒業生は、この資格を持って、世界の技術者と堂々と渡り合うことができます。
学生が講義を受ける際には、
を導入しています。
CAP制とは、1学期(セメスター)に履修する科目を登録する際、その合計単位数に上限を定める制度です。頭に帽子をかぶせて、上限を設けているという意味で使われています。この趣旨は、むやみに科目数だけ多く登録しても勉強が追いつかずに単位が取得できない ようなことが起こらないように、そして個々の科目の消化不良を防ぐためです。
GPAはGrade Point Average の略で、米国において一般的に行われている学生の成績評価方法の一種です。履修した個々の授業科目の評価に応じてGP (Grade Point)を与え、GPAは、獲得したポイントの合計を履修した総単位数で除した1単位あたりの成績の平均値です。GPA 制度の狙いは、卒業時の能力に照準を合わせ、学生の学力の到達水準を明確にして、「学ぶ量ではなく、学ぶ質を問う」ことにあります。そして、累積GPAは席次評価などに使われます。
各学期、科目毎のアンケートを行い、学生の要望も取り入れ教育改善に役立てています。
授業評価アンケート累積GPAが3.7以上で、各プログラムが実施する最終審査に合格した場合、3年間で早期卒業できる制度があります。 また、大学院への飛び入学制度があります。
教育改革には、教員側の努力と意識改革が必要であると同時に、学生側の意識改革、すなわち、“教わる”形態から“自ら学ぶ”形態への変革が必要です。そのきっかけを作るべく、1999年度から“卒業研究(設計)優秀賞の表彰制度”を導入しました。一生懸命がんばった学生に優秀賞を授与することで、学生みなさんの励みになればとの願いからです。
各プログラムとも4年次学生の4%を目途に優秀な学生を推薦し、表彰は卒業祝賀会の席上で行っています。
教育に関して顕著な実績のあった教員にその功績をたたえ、表彰を行っています。
工学部は有形であれ無形であれ「ものづくり」に関した技術開発や学術研究を行うところですが、この科目では、「ものづくり」の楽しさや達成感を味わうことができます。 この科目の特色は、工学部の学生であれば誰でも聴講することができ、受講を希望する学生がチームを組んで、あるいは、単独で自分自身のテーマを持参して参画すること、プログラム・学年の枠を超えた学生のプロジェクトチーム結成を目指していることです。
創造プロジェクト(上画像)は自主的に進めるというのが基本で、且つものづくりのための時間が結構必要ということから、両科目ともに課外時間や夏休みなどを有効利用することになります。 各チームは月1回定例の進捗状況報告会に合わせてプロジェクトを進めていきます。プロジェクトの作品は長崎大学、富山大学、新潟大学の各大学で行われる「学生ものづくり・アイディア展」に出展することになっており、それを目指してプロジェクトを進めることになります。
「創造プロジェクトI」では、課題設定と計画立案を目標にしています。
「創造プロジェクトII」では、「創造プロジェクトI」で企画立案したプロジェクトに従って実際に作品を作ることを目標にしています。
「失敗しつつもそれを強い意欲で乗り越えて成功する体験を組み込んだ」教育プログラム(「やってみせ、させてみて教育」と呼ぶ)を行うため、開設している科目です。 「知識の暗記だけで使えるつもりになっている」“つもり学習”の悪癖に気づき、勉学姿勢を自ら改めることで、工学を使いこなす能力を育成するための基礎となる勉学習慣の形成を目的としています。
大学全体 | 件数 | 745 | 工学部 | 件数 | 67 |
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金額(千円) | 1,344,150 | 金額(千円) | 115,800 |
大学全体 | 件数 | 783 | 工学部 | 件数 | 79 |
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金額(千円) | 1,328,100 | 金額(千円) | 137,700 |
大学全体 | 件数 | 803 | 工学部 | 件数 | 80 |
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金額(千円) | 1,420,300 | 金額(千円) | 172,200 |
大学全体 | 件数 | 764 | 工学部 | 件数 | 75 |
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金額(千円) | 1,461,825 | 金額(千円) | 137,400 |
大学全体 | 件数 | 812 | 工学部 | 件数 | 71 |
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金額(千円) | 1,441,030 | 金額(千円) | 168,202 |
年度 | 件数 | 金額(千円) |
---|---|---|
2015年度 | 105 | 68,778 |
2016年度 | 119 | 76,246 |
2017年度 | 118 | 80,494 |
2018年度 | 87 | 69,570 |
2019年度 | 87 | 69,855 |
年度 | 件数 | 金額(千円) |
---|---|---|
2015年度 | 65 | 57,437 |
2016年度 | 81 | 77,049 |
2017年度 | 88 | 92,552 |
2018年度 | 81 | 98,077 |
2019年度 | 72 | 93,767 |
年度 | 件数 | 金額(千円) |
---|---|---|
2015年度 | 22 | 58,076 |
2016年度 | 14 | 62,870 |
2017年度 | 17 | 93,814 |
2018年度 | 26 | 156,596 |
2019年度 | 30 | 210,629 |
工学部建物 | 五十嵐地区キャンパス全体 | |
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研究室 | 5,727m2 | - |
講義棟 | 2,281m2 | - |
実験実習室 | 9,212m2 | - |
管理部門 | 3,948m2 | - |
その他 | 8,035m2 | - |
合計 | 29,203m2 | 587,732m2 |
インテリジェント自動車は、自動車自身が衝突を探知・判断して自動操縦します。そのような新しく高度な装置を実験する場合は危険が伴います。シミュレータによって安全に自動車の走行実験が行えます。
原子間力顕微鏡(AFM)です。表面構造を1ナノメートル以下の解像度で3次元的に詳細に観察することができます。電子デバイスの作製・観察を行うときに空気中の小さなほこりはたいへん邪魔になるため、クリーンルーム(クラス10000)内で作業を行っています。
作製した電子デバイス用薄膜を上のAFMで実際に観察している映像です。数ナノメートルの凸凹がくっきりとカラーで映し出されています。AFMの制御装置とパソコン、それにディスプレイなどをあわせて1,000万円もする大変高価な測定装置です
コンピュータの操作方法の学習や、プログラミング関連の演習・実習・実験を行うための教育用コンピュータシステムです。120台程の端末があり、複雑な計算を行うソフトウェアなども用意されています。利用時間帯の制限がなく、自由に利用することができます。
表面筋電図や心電図、膝関節角度などを計測できる小型ユニット。電極はアクティブ電極となっており、両面テープで簡単に貼付できる。さらに、フィールド実験ではこれをPDAに接続することで運動機能のウエアラブル計測が可能である。また、PDAの無線LAN機能を使えば、いつでもどこでも運動機能を計測することができる。応用例としては、スキー運動時の筋疲労と運動パフォーマンスの関係についての研究がある。
走査型電子顕微鏡(SEM)は、電子線を用いて、肉眼では見ることのできない極めて微細な(マイクロサイズの)物質の観察が可能であり、材料の構造解析には欠かせません。また、特性X線を分析することで、物質がどのような元素で構成されていて、またどこに分布しているのかを知ることもできます。内部構造の観察が可能な透過型電子顕微鏡(TEM)などもあります。
構造物加力実験装置は、構造物に垂直・水平方向に自由に荷重を加えることが出来、建物の柱や壁などを模擬した試験体に地震などを想定した力を作用させ破壊するまでの様子を調べる実験装置で、 教育や研究に活用されています。写真はレンガブロックの形を改良することでどのくらい耐震性能が向上するか実験しているところです。
エネルギー問題の解決には新しい磁性体や超伝導体の開発が必要です。4本の安定したアークを持つテトラ・ アーク炉により、こうした新しい合金や単結晶を作製することができます。